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召喚術士の冒険記  作者: 壬生方 社箱
第一章 エスカード編
7/64

第五話 ※


俺は暗闇の洞窟の中で目を覚ました。

そして種火を右手につけ、まわりを確認する。黒水晶のない仏壇がみえる。

俺は忘れていたものを思い出したかのように、急いで胸を確認する。

種火を消し、上着を脱ぎ、Tシャツも脱いで種火をつけて自分の左胸を炎で照らす。


「な、何もねーな、、、、、あっ」


ふと気になり鑑定をしてみた



【ステータス】

名前 タカフミ=コンドー 年齢 20

職業 ハードボイルド


LV 3

STR 95 

DEX 99 

VIT 94 

SPD 81 

INT 123

MEN 100


スキル

言語理解

召喚魔法lv2 生活魔法 魔力強化lv1

鑑定 アイテムボックス 詠唱破棄 成長促進 


????????????




「おいおいおいおい、、、、こりゃぁ、、、」


俺のステータスが全ての項目が50ずつ上がっている。それに一番気になるのはスキルだ

???の項目が増えている。当然鑑定をしてみると、


【?????】

?????????????

?????????????

?????????????????

??????


さっぱりわからない。だが???で説明文らしきものも確認できるのでスキルには間違いないようだ

黒水晶は我を食ってみろと言っていた。ステータスがあがったってことは、食えたのか?食われたのか?でも思考は乗っ取られてないと思える。嫁の顔を思い出してもちゃんと確認出来る。

いやまて、ステータスはあがったがスキルで呪いがついたとも考えられる。

どうにも解釈することが出来て、さっぱりわからない。


だが、現実としてステータスが50も上がったのは間違いないんだ。

この世界の平均ステータスがどの程度かわからないが、あれだけでかいウサギに今の半分以下のステータスで勝てるなら

相当楽になってるはずだ。ラッキーとも言えるだろう。言えるかな?


仏壇をもう一度漁ってみるが、特にこれといって何もないみたいだ。仏壇の裏や周りも見たがなにも見つからない。

仏壇をアイテムボックスに入れようともしたが、地面にがっちりくっついていてはがれない。

しかし、黒水晶は俺を強欲と言っていたが、普通あの状況なら黒水晶を持って帰ろうとするのは常識的ではないだろうか?

某ゲームだって他人の家の樽を壊したり箪笥を開けたりするんだ、普通だ普通。


呪われてたら謝ろう・・・・・・



俺は気持ちを切り替えて、洞窟を出た。

外をぐるっと眺めると右手のほうに太陽らしきものが森の木々越しに水平線近くに見える。

夕日の光ではなさそうなので朝日だろう。

俺は一晩洞窟で気を失っていたみたいだ。


俺はそこからタバコに火をつけ、太陽に向かう方向に進むことにした。たぶん東だろうから。

明日になったらまた太陽に向かえば、東に向かえる。ぐるぐる回ることだけは避けられるだろうから。




2時間ぐらい歩いただろうか。

腹が減ってきたので、飯にすることにした。

マキを集め、かまどを作り、種火で火をつける。アイテムボックスから食べかけのウサギを取り出し、昨日と同じようにバールで肉を引き裂きながら解体する。

ステータスがあがったからなのか、肉の解体は昨日より遥かに楽だった。それをまた浄化水道で洗ってから、太めの枝で肉を貫通させ、かまどで焼く。味付けは醤油がある。昨日の二の舞はごめんだ。


肉が焼け、水を飲み、さらに一服して休んでいると、東のほうから人が歩いてくるような音が遠くから聞こえる。

人だ、3日ぶりの人だ。初の異世界人に会ってみたいを言う気持ちもあるが、マンガでもテンプレとして俺の能力がばれたらめんどくさいことになる。

飯、水、タバコとある今となっては、逆に誰にも会わないほうが安全かもしれない。

ああ、やっぱ今は人とは会いたくないな。━━━━って考えてるうちに向こうもこっちに気づいたようだ。結構早足で向かってくる。

あ、敵かもしれないじゃん。まさかいきなり襲ってくるのはないと思うが、一応警戒しとこう。俺の強さの指針にもなるかもしれん。


もうはっきり見える位置に来てる。男が1人、女が2人のようだ。

ん?女の2人は髪が金髪と青髪だが、男は黒髪だ。

黒髪?どうなんだろう、この世界では黒髪いるのかな? 男のほうが話しかけてきた。


「こんにちわ~ こんな森の奥で迷子ですか?」


どうしよう、返答を準備してなかった。 やっぱ俺馬鹿なんじゃないかな・・・・・

俺が黙ってると、男は首を傾げて、その後なんか気づいた顔をしてとんでもないことを言ってきた。


「だるま、まり、りんご」


「ご、ごりら?なんでいきなりしりとりだよ!!!趣味か?お前の趣味なのか?!!」

思わずつっこむ。


「ああ!やっぱり!日本人ですね!転移ですか?何時ですか?!」


おれは目を見開いて、

「おいおいおい、お前まさか、日本人か?」


「はい、日本人です。一年ぐらい前に転移してきました。来栖 拓斗と言います。」

俺はすかさず鑑定する




【ステータス】

名前 タクト=クルス 年齢 16

職業 勇者


LV 45

STR 512 

DEX 498 

VIT 547 

SPD 600 

INT 450

MEN 502


スキル

言語理解

剣術lv5 聖剣術lv5

神聖魔法lv4  魔力強化lv2 身体強化lv3

限界突破 熾天使降臨

アイテムボックス   




つ、、、、、TSUEEEEEEEEEEEEE


「勇者、勇者じゃねーかよ! 異世界で初めて会った人間が勇者かよ!異世界狭いな!」


「え?鑑定をもってるんですか?すごいですね。しかもステータスまでみえるなんてすごい鑑定ですね」


「あ、くちにでちゃってた?俺ずっとひとりだったから、独り言がくせになってたかも」


「あはははは、何日ぐらいここにいるんですか?」


思わずだ、慎重にならなきゃいけないのに、いきなり勇者だったもんでテンションあがったまった、まだ敵か味方かわからないんだ、気を付けないと。


「まだ3日だよ」


「ちょ、ちょっと!あたしたちにもちゃんと説明しなさいよ!」

いきなり金髪の女が話に割り込んできた。


「あはは、ごめんね。こっちがユリア、こっちがコニーです」


「よ、よろしくお願いします、勇者様、、、コニーです、、、、」


「ふーん、アンタも異邦人なのね。よろしくね。ユリアよ」


ずいぶんキャラが違う二人だ、俺のことを勇者と呼んだり、異邦人と呼んだり。外見もなかなか個性的だ。


「ああ、俺はタカフミだ。勇者ではない。この世界には観光で来た。よろしく」


金髪のユリアはいかにも魔法使いの格好だ。三角帽子に濃い落ち着いた色の赤のローブ。顔は切れ長な目で美人タイプだ、かなり気が強そうだ。青髪のコニーはおとなしそうな雰囲気で、神官が着るような頭からかぶる前掛けみたいのをしている。顔は丸顔で目が大きい、こっちの子も可愛い。それよりもこいつにはすっごい特徴がある。でかい、でかいのだ。服の上からでもがっつりわかるくらいでかいのだ。Gと言われても疑わないだろう。



数分話したあと、なんとなくこいつらは大丈夫そうな感じだったから、支障のない範囲で俺たちは情報交換をした。何時この世界に来たか、どんな神の対応だったか、ここにくるいきさつとか、来栖たちはこの一年なにをしてたかなどを話してくれた。



「はあ、やっぱ勇者ともなるとハーレムパーティか。すげーなー」


「ちょ、ちょっと!私たちはそんなんじゃないんだから!!誤解しないでよね!」


「そうだよ、タカフミさん。僕たちは魔族や魔物からの被害を止めるために旅をしている仲間なんですから」


ユリアは、来栖にはっきり否定されて思いっきりがっかりしてる顔をしてる。ああ、勇者は鈍感ってのもテンプレか。


「そうだ、タカフミさん、まだ何にも持ってないんじゃないですか?支援しますよ。」


「おお、ありがとな来栖。俺も支援してやるよ。どうせこれに飢えてるだろ?」


俺は米俵を召喚し、足元に落とした。日本人だ、飢えてないわけがない、このくらいの恩は売っといたほうがいいだろう、なんせ勇者だし。

来栖は、目を見開いたまま、絶句している。


「なに、アンタのそれ。魔法なの?」


「・・・ああ、俺は召喚術士だ。これも今召喚したんだ。」

来栖は、まだ目を見開いたまま、絶句している。


「召喚術士なんて、みたことないわ。かなりレアよ。ばれないように気を付けなさいよ。面倒なことになるわよ」


「ああ、俺もそのつも━━━」


「タカフミさーーん!!こ、こ、これお米ですか?!持ち込んだんですか!?」

全員がビクッとした。いきなり来栖が絶叫したからだ。そんなキャラじゃないだろう。


「タクト、聞いてなかったの?タカフミさんは召喚術士らしいわよ。」


「召喚術士?!じゃあお米を召喚出来るんですか?!どれくらい出来るんですか?!」


「落ち着け来栖、ああ、いくらでも出来るぞ。アイテムボックスあるんだろ?それやるよ。持っていきな。」


「ほ、本当ですか!?いいんですか?!」


「なんだ、やっぱりこの世界には米はないのか」


「ありませんよ。お醤油だってありませんよ!」


「あるよ」


「え?」

来栖が呆けてる目の前で醤油も召喚してやった。醤油を見た来栖は無言で涙が静かに流れ落ちた。

俺は、醤油を来栖に手渡してから、アイテムボックスからじゃなく召喚でタバコを出し、種火で火をつけた。


「これもいるか?」


「タバコ・・・・タカフミさん、何でも召喚出来るんですか?」


「いや、今のところはこの3つだけだ。召喚獣とかも一切ない。これだけ」

俺は自分のことなのに呆れたような苦笑いをしながら、もう一本醤油を召喚し来栖に渡した。


「全部やるから持っていきな」


「ありがとうございます!すごい嬉しいです! タカフミさん、定期的に売ってくれませんか?連絡魔道具があるので、渡しますから!」


「待ちなさいよタクト、それもうないのよ!最後の1個じゃない!ダメよ!」

ユリアが割り込んできたが、来栖の米と醤油を見つめる幸せそうな顔を見て、これは言っても聞かないと諦めたみたいだ。


「この袋を渡します。この中に色々役立つものが入ってます。僕たちには使う予定はないので、どうぞタカフミさんが使ってください。」


「・・・タクト様・・・アンブロシア・・・」


「それは貴重品袋じゃない!ダメよ! アンブロシアを他人に渡したら大騒ぎになるわよ!」


「大丈夫だ二人とも。タカフミさんも異邦人だ、きっとうまく使ってくれるよ。それにね、お米とお醤油を食べると内なる力が3割も増えるんだ。このくらいのお礼は当然なんだよ」


「さ、3割も、、、本当に、、、」


ダメだ、来栖が米の魅力でおかしくなってる。

こいつ結構残念なやつなんじゃないか?


「いやー、貴重品なんだろ?悪いよ。そんなのはもらえない。俺にだって使えなさそうだし」


「タカフミさん、もらってください。袋は魔道具でアイテムボックスのように中身が劣化せずに使えます。お金も多くはありませんが入ってます。色々なものが入ってますが、アンブロシアの扱いだけは注意してください。詳しくは言えないですが、僕もとある場所で三個だけもらいました。アンブロシアは生命の果実とも言われ、そのまま食べても美味しいですが、エリクサーの原料とも言われています。作れる技量のある人はもういないと言われています。ですが、存在が明るみに出ればタカフミさんも危ういとおもいます」


「おいおい、危険じゃねーかよ、俺にどうしろと言うんだよ。それ、ばれたら捕まったりしねーか?」


「ええ、ばれたら国に拘束されて入手場所を教えるまで拷問されてもおかしくないですね。四肢欠損も治るし、寿命も延びると言われてます。まあでも、僕がもらった場所でも作れる人は世界中探してもいないって言われてるので、結局そのまま食べるしかないですよ。大丈夫大丈夫」


来栖はさわやかな笑顔で、とんでもないことを言い放つ。

こいつも大概頭ぶっ飛んでるな。まあ、異邦人だしな。

俺はこいつよりまともだけどな!!


「お、おう、ありがとな、、、、気を付けるよ、、、」


「いえいえ、こちらこそありがとうございます。あ、そうだ。通信魔道具の設定をしましょう!これからもお米買いにいきますからね!」


俺たちは通信魔道具の設定した。どうやら魔道具に送信したい言葉を話すと、設定した機器間だけで文字をメールのように送れるらしい。ポケベルかよ。

それから四人でもう少し情報共有のための話をした。

話も落ち着いた頃、


「つうか、お前ら、なんでこの森に来たんだ?ここは魔の森でかなり奥地なんだろ?」


「ええ、封印されし7つの大罪の名前を冠する邪悪が、この世界にはありまして、その封印が解かれるかもしれないと神様に言われたんですよ。で、僕はそれを回収して破壊、もしくは神様の言われた場所に再封印するのが目的なんですが、その一つがこの森にあるみたいなんです。」



ちょっと嫌な予感がする。

「・・・ほお、そりゃ大変だな。でもこんな広い森から探せるのか?なんかあてがあるのか?」


「はい、なんでも、7つの大罪は黒い神鋼石に封印されてて、完全な球体みたいです。この世界には完全な球体はあんまりありませんので、黒い神鋼石ならまず見ればわかると言うことなんです。邪悪な波動も出てるようなので、まあ、わかるでしょう」


・・・・・これがフラグと言うものか・・・・

もう完全にあの黒水晶で間違いないだろ。

なに俺、邪悪食っちゃった?!俺魔王になっちゃう?!

アンブロシアより、こっちのが危険じゃねーかよ!


「どうしました、タカフミさん?顔が青いですよ?」


「そ、そんなことねーよ・・・でもそれが本当に邪悪かどうかわからないんじゃね?俺の神様も結構適当なやつだったし、神様が間違ってるかもよ?」


「僕もまだ見つけてませんが、封印が全て解かれると魔王が復活して、復活してしまったら勇者でもどうにもならないくらい強いそうです」


それはヤバくないか?7つのうち一つは俺のなかだぞ?くれと言われたら最悪腹をかっさばかれたりして、、、、、

いや、胸に入ったのがバレたらお前が魔王だとか濡れ衣着せられそうだ。

こいつとあんまり仲良くしないほうがいいかもしれない、、、


まあでも、俺が魔王にされるとしても俺が普通に生活してれば、害はないだろうし、思考が乗っ取られて魔王としてたち振る舞ってるなら、それはもう俺と言う魂は死んでるってことだし、もう玉取り出せないし、どうでもいいな!!

やめやめ、考えるのやめ!俺は金持ちになって楽しく生きるんだ。


「タカフミさん?」


「あ、いやー、大変そうだな。もしなんか手伝えるなら言ってくれよ」


「はい、ありがとうございます。ところでタカフミさんは街に行くんですよね?送りましょうか?」


「ああ、ありがたいが、街まで遠いんだろ?お前らここまで来た意味なくなるじゃねーか」


「ユリアは空間魔法の使い手です、一度行ったところはどこでも飛べるんですよ。転移で街の中までは入れませんが、門までは送れますよ」


ふむ、勇者の知り合いとして街にいけば楽に街にはいれそうだが、あまり目立ちたくないな。もしかしたら敵になるかもしれないんだし・・・


「送っては欲しいが、街まで一時間ってくらいの距離に転移って出来るか?俺もこの世界はじめてだし、マンガのようなテンプレの門での押し問答やってみたいんだよ。お前らと行ったらすんなりだろ?」


「あはははは、そうですね、異邦人はみんな体験するわけだし、それもいいかもしれませんね!、じゃあユリア、頼めるかな?」


「いいわよ、3割アップの食材ももらったしね。でも、本当異邦人って変わり者ばっかりね!」


ユリアが魔法の準備をしたと思ったら、足元に3mほどの魔方陣が現れ、全員光に包まれて転移は一瞬だった。

ユリアのローブは、魔力が魔方陣から沸き上がったのか、ふとももまで風で巻き上がるようにめくれていた。コニーとか言うやつの胸も上昇気流でブルンブルン揺れている。

俺は気づかれないようにガン見した。気づかれてないよな。


転移が終わると、ユリアがジト目で俺を見ている。

あ、やっぱわかるのね。


「この方角に向かえば街につきます。僕らはさっきの場所に戻りますね。」


「ああ、悪かったな、ありがとな」


「こちらこそありがとうございました。これからもよろしくお願いします。」


「ああ、俺の方もな。 じゃあまたな」


「ええ、また」


俺と来栖の挨拶が終わると、ユリアは詠唱を開始し、魔方陣をだして転移していった。

左手でローブの前の裾を押さえながら・・・・・・



さあ、俺の異世界もここからが本番だな!!


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