第五十九話
ミスで途中でアップされてしまいました。
すいません。
7日が過ぎている。
牢屋はレティシアが気を使ってくれたのか、かなり環境は良かった。
大きなふかふかのベッドに、個室のトイレまでついていた。飯もうまいし外に出れない以外は障害がない。
亜龍族は、俺の家の近くに住み着くことになった。一歩間違えば大災害になるようなことを引き起こしたとして、ネライクの管理下に入れとのレティシアの命令だ。
信仰の問題は消えたそうだ。
龍神信仰から魔王信仰に変わったらしい。
おれへの尋問はいまだに続いている。
「だから出来ぬと言っておるのじゃ!」
「出来ねーのは俺のせいじゃねーだろ!気合いが足りねーんだろ!」
レティシアが《魔力の込め方》を教えろと言ってきて、教えてやってるのに全く出来ない。
「そもそも魔法にそんなルールはないのじゃ!」
「あろうがなかろうが、現に亜龍族のやつは出来たじゃねーか」
「ぐぬう、、、、」
しばらくしてわかったことだが、結局魔法を長く使っていたものほど習得出来なかった。子供とかは出来るようになったやつはたくさんいた。
詠唱に魔力が吸われることに体が慣れすぎて、込めるってことがどうしてもわからないらしい。頭が硬いんだな。
「で、俺はいつまでここに居ればいいんだ?」
「もうよい、今日出るのじゃ」
「本当になにもお咎めなしでいいのか?」
「仮にも魔王なのじゃ。それに界民はむしろ喜んでおる」
「・・・なんでだ?」
「魔王はすごく弱そうで、なにも出来そうもなかったのに、過去に例がないほどの巨大な魔法が使えると。本物の魔王だったとな」
「元々そんなに弱くはなかったんだがな、、、、、」
俺は家に帰ろうと歩いていると、家の回りが騒がしい。建設ラッシュだ。マンションのように1つの建物に何家族も住める作りだ。それが10棟同時進行で建てられている。
資材と作業員はネライクが用意している。亜龍族も手伝ってはいるが、建物がコンクリート作りに変わるので勝手がわからない様子だ。
「これは魔王様、お帰りなさいませ」
「長老、お前らの家は木とか土とかじゃないの?」
「今まではそうでしたが、ネライクの宿屋に泊まってみた感じでは、むしろこちらのが快適なのですよ、すきま風もないですし。村人もすっかり順応しております」
「・・・・・・これが嫌だったんじゃねーの?」
「いやあ、住めば都とも言いますな!これもなかなか悪くないですぞ!うわっはっはっは」
こいつら、ノリが適当過ぎんだよ。大体信仰を捨てるってどういうことだよ。
「・・・・・・龍神信仰はどうしたんだよ」
「おおっ、これからは我らは魔王様を信仰いたします!。魔王様は龍神の使いなのです、間違ってはおりません」
「お前ら、見た目に合わず、ゆるっゆるだよな!」
「そうでもありませんぞ、ほれ」
長老が指差すほうに目を向けると、新しい亜龍族の村の中心になりそうなところに、台座の上に2mほどの彫像が乗っている。彫像は龍のアギトのように両手をつき出している、、、、、、俺じゃねーか!!!!
俺はうつむいて頭を抱えた。
「おや魔王様、出てきたのかい?」
「・・・ゲッコー、お前ら森じゃなくていいのか?それに服が、、、、、」
「街じゃはだかはよろしくないんだって!どう?似合うかい?」
「ああ、パンツを履いたらな」
ゲッコーはミニスカートでぐるっと回った。
「しかしお前ら本当にゆるっゆるだな!プライドもくそも無さすぎねーか!」
「亜龍族は環境に順応して生きていくのさ、そう、それがどこでもね(キリッ)」
「俺には初めての都会に、はしゃいでる田舎者にしか見えねーがな、、、、、」
そう、村人たちは全員笑顔だ。村が吹き飛び、思い出も何もかもなくなったはずなのに。
いや、吹き飛ばした俺が言うのもなんだが、なーんか釈然としねえ。
まあ、いい。俺は長老たちを置いて、自分の家に帰った。
「遅かったな」
「・・・なんでお前がここにいるんだよ、ソニア」
家につくとソニアがソファーに座ってコーラを飲んでいた。
「留守番だ」
「アリサは?」
「アリサたちは、練兵場で魔法を教えている」
「・・・なるほど」
俺もソファーに座り、コーラを飲みながらタバコに火をつける。
「しかし、あんな隠し玉を持っていたとは。あれを食らったらさすがの妾もひとたまりもないな」
「見たのか?」
「見てないが後を見れば分かる。」
まあそりゃそうか、森と村が消失してればな。
「で、何のようだ?」
「これと言って用はない」
「・・・じゃあ、俺から質問がある。ソニアとレティシアの魔王の鍵は何が入ってる?」
ソニアはうつむいてしまった。なんだ?
「言いづらいことか?」
「ああ、恥を晒すことと同じだ」
「なぜ?」
「魔王様は強欲だな?何故強欲を取り込めた?」
「そりゃあ、、、、、、ああ、なるほど」
そういうことか。
七つの大罪は、傲慢、嫉妬、憤怒、強欲、怠惰、色欲、暴食だ。
強欲と同じだとしたら、どれに認められたとしても、自分もそうだって言ってるのと同じだ。色欲とかなら女ならかなり恥ずかしいだろう。
「・・・だが、隠してもいつかはわかるか。妾のは嫉妬だ」
嫉妬?俺のイメージでは、ソニアからは最も遠く感じるが、、、、
「妾は魔王になりたかった。魔王になって魔界を率いて神に対峙したかった。レティはそういう気持ちは薄い。レティは魔界の平和を維持することが第一だから」
「それで魔王に嫉妬したと」
「それだけではない。レティ本人に対しても嫉妬しておった。それ以外にも、、、、、、」
「・・・怖くなかったのか?失敗したら死ぬとこだろ?」
「鍵に呼ばれたのだ。気づいたら嫉妬の鍵を取り込んだあとだった」
「・・・なら魔王になってみるか?」
「その気持ちはもうない。魔王様も現れた。もちろんその時が来たら妾の命は差し出す」
何故気持ちが消えたのかはわからんが、色々あったんだろう。デリケートな部分だ、これ以上は聞けない。
だがこれで、強欲、怠惰、嫉妬がはっきりした。レティシアは?
「レティシアのは聞いてもいいのか?」
「レティは暴食だ」
暴食?!またイメージとかけ離れた、、、、、、あのちびの体でくそほど食うのか?意外だな。
だが、レティシアは生まれた時に埋め込まれたんだっけ?なら天性の暴食か、ちょっと笑えるな。
「魔王様はこれからどうするつもりだ?」
「ずいぶんアバウトな質問だな、どうするもなにも、鍛えるしかない。納得行ったらエルフの国の鍵を取りに行くつもりだ」
「その時は妾も連れて行ってくれないか?」
「・・・いいけど、なんで?」
「妾はもう長く生きた。後悔はないが死ぬ前に世界を見てみたい」
ソニアはもう鍵を取り出して死ぬのが前提みたいに話しているな。
「言っとくが、俺はナタリーから殺して鍵を取り出すつもりはない。だからお前もその心配は必要ない」
「そうする必要が生まれたら?」
「それでもだ。考えてみろ、結局殺して取り出さないといけないなら、元々取り込めるって設定も要らないはずだ。むしろ俺が心配してるのは、もし鍵の適正者を7つぶん集めないといけないってなったときのが心配だ」
ソニアはちょっと予想外だったのか、少しびっくりして、
「・・・そうか、、、、、あと3つの、、、、、、」
「そういうこと。強欲、暴食、嫉妬は確定、ナタリーも取り込めてると仮定しても、あと3つ分誰かが命懸けで試さないといけないんだよ。しかも成功しなかったら何人も、、、、、そっちのが問題だろ」
「確かに、、、、、、」
もし適正者が必要なら、最悪神にたどり着けないまである。
まあそしたらスローライフだな。
「ただいまー」
アリサたちが帰って来た。
ソニアは帰っていき、今日の出来事をお互いに報告しあう。
「それは私も引っ掛かってるわ」
「なにが?」
「そもそも私の勇者設定はなんなのよ。鍵の7人だけで良くない?」
「案外、勇者じゃないと神にダメージ与えられなかったりして」
「・・・冗談きついわ」
「そうですね。私の中の鍵はどうすればいいのでしょうか」
「とにかく今考えても仕方ない。今は一にも二にも修行だ」
「「「「はい」」」」
早速明日から、再度修行に取りかかろう。




