第二話 ※
少し歩くと、やっぱり手に血がついてるのが気になる。
生活魔法に浄化があるのを思い出し、使ってみることにした。
「多分水属性だとは思うが、この浄化ってのはマンガとかなら体を光がシャララーンみたいに流れて、きれいになる奴だよな。試してみるか」
頭の上から浄化をかけるイメージをして、浄化と念じる
「・・・・・・・・・・コントか・・・」
浄化はただ水が振ってくるだけだった。
頭から浄化するイメージをしたせいか、頭上から水が滝のように降ってきたのだ。
全身がずぶぬれだ。頭から水滴が滴り落ちてくる。
イラっとしたがどこにぶつけていいかわからない。
まあ確かに予想どおり、浄化は水の属性だった。だがまさか水が振ってくるとは、、、、、
「先入観は危険だな、、、、、」
俺は服を乾かすためにかまどを作ると、マキを拾いに周囲を歩き回る
警戒の意味も含めて鑑定しながら歩くと、また薬草があるのでガンガン拾いまくる
マキを集めて、かまどにマキを詰め、種火で火をおこす。
作業服の上下を適当にかまどの上に枝を使ってつるし、下着姿で火に当たる。
「あれ?そういえば目まいしてねーな」
鑑定でじぶんを見てみると
【ステータス】
名前 タカフミ=コンドー 年齢 20
職業 ハードボイルド
LV 2
STR 28
DEX 20
VIT 25
SPD 18
INT 32
MEN 22
スキル
言語理解
召喚魔法lv1 生活魔法
鑑定 アイテムボックス 詠唱破棄 成長促進
おお、レベルが上がってるわ。
ステータスも2倍以上になってるわ。
この世界の成長がどの程度かわからないが、レベル1つで2倍以上ならわるくはないんじゃないだろうか。
とりあえず、腹減ったな。ウサギを食ってみるか。
かまどにマキをくべて、アイテムボックスからウサギを取り出し、ウサギを解体を試みることにした。
道具が何もないので、ウサギの毛皮をはぐためにバールのくぎ抜き側でメッタ刺しにする。
皮をひんむくイメージでメッタ刺しにしながら、くぎ抜き側で皮を引っ張る
そして浄化の魔法で水をかける、を繰り返す。
「グロ・・・・いやグロすぎるだろ」
バールで肉をひっかけながらウサギの体から肉を引き剥がすように、肉の塊をひとつ取る。そして浄化と言う名の水道で肉を丁寧に洗う。
これをバールの棒側から肉に差込み、骨付き肉のような形状になった肉塊をかまどの上に乗せて直火焼きにする。
いい感じに焼けたような匂いがするが、そこであることにきづく。
「おれ、ばかじゃねーか?・・・・・・」
肉は熱い、バールは鋼鉄、そうどこも熱くて持てないのだ
かじりつくにもバールは持てない。肉を直接も持てない。
どうしようと考えた結果、浄化水道でバールを冷やすことにした。
端と端に交互に水をかける。
片側を水で冷えると、片側はもう熱くなってる。
逆側を水で冷やすと、もう逆側は熱くなってる。
「おれは馬鹿じゃない、今は異世界で動揺しているだけだ・・・・・・」
かまどの中の火を水道で消そうと水をだした時、また目まいが来た。
「ぐう、、、、、落ち着け俺、、、」
かまどの火は消えた。めまいは30秒ほどで治まった。
ゆっくり片側ずつ休みながら水をかけ、持てる温度になったときにウサギの肉にかじりついた。
「味がねーな、、、、、、」
当然だ、俺は馬鹿じゃない、味付けしてないなら味はない。
肉を飲み込むのに浄化水道をがぶ飲みする。
浄化水道は飲んでも平気そうだ。実際には腹をこわすか、もう少し様子見だと思うが少なくとも水の味は悪くない。
デカウサギの残りはアイテムボックスに入れた。
気がつくと、森に差し込む光が夕暮れのような気配を出していた。
今日はもうココで寝るしかなさそうだ。
半渇きの作業着を着て、マキをひろいなおし、かまどをもうひとつ立て、火をくべる。
夜に火があると、安全とも危険とも言われるが、俺は夜間ずっと火をたく選択をした。暗いとなんか不安だったからだが。
落ち葉をかき集め、草を敷き布団代わりに敷き詰める。
「さて、準備はもういいが、そういえば召喚魔法があったな。たしか心の底から必要と思われるものが出てくるんだったな。食い物もあるし、水もある。やっぱ一番必要なのは俺の変わりに戦ってくれるつえー奴がいいな。」
「召・喚!」
呪文が必要かわからないが、とりあえず叫んでみた。
全身をなにかが走るような感覚がある。それが右手に集まる感覚が来たので手のひらを上に向けると、手のひらが眩しいくらいの光を発した。
光が収まると、一本のなにかが手のひらに乗ってる。
「うん、ハードボイルドだな。 っじゃねーよ!いや吸うよ?必要だよ?!でも一番じゃねーだろ!」
おれの手のひらにはタバコが一本のっている。日本で吸ってたマリボーロだ。ちゃんとタバコにマリボーロと印字もされてる。
とりあえず種火で火をつけて吸った。
「すぅー、はぁー・・・・うめーな。でもコレじゃないな。異世界なのに・・・・まあ召喚をlv5まであげればあと14個召喚できるんだし、1枠つぶしてもまあいいか」
一服して冷静になった。考えようによっては手に入らないものが手にはいるようになったということだ。最悪ってわけでもない。生きて街まで行くことができるのならの話だが、、、、、、
タバコを咥えたまま鑑定と自分のステータスをだし、召喚魔法に鑑定と念じる。
召喚魔法lv1
タバコ
「すうう、、、、、うめーーーーーーーー」
やっぱ最高だ。心の底から必要なものってのも、まんざら嘘じゃないくさい。異世界でもタバコが吸えるのはかなりラッキーだ。
俺はタバコの吸殻をアイテムボックスにしまった。吸殻を捨てないのはマナーである。
しかし、召喚って日本の物が呼べるのか?じゃあ嫁も?
いやまて、これ逆に嫁が呼べなかったら心の底から必要としてないって証拠になるのか?
「き、危険すぎる、、、、色々な意味で、、、、、とりあえずタバコの予備を作っとくか、、、、、、この件に関しては危険すぎるから考えないことにしよう、、、、、、」
そこからは簡易ベッドに座ったまま、目まいを何度も起こしつつマリボーロを召喚しつづけた。
一本ずつしか無理みたいなので、一本ずつ200本召喚した。
当然目まいを起こしてるが、嫁召喚のために、マキをくべる、召喚、目まい、タバコをアイテムボックスにしまうを繰り返した。
何時間経ったかわからないが、すっかり真っ暗だ。
危険だという気持ちも、もちろんあったが、睡魔に勝てず眠りに落ちた。