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召喚術士の冒険記  作者: 壬生方 社箱
第一章 エスカード編
3/64

第一話 ※


気がつくと俺は、森の中で寝ていた。


「ん、、、、んう、、、ここが魔の森か?」


周りを見ると一面の森。太陽は出ているようだが、日の光はあまり差し込まない。

ぱっとみたかぎり、生き物の気配はしない。

とりあえず現状確認だ。俺は俺の体を見た。服装は死ぬ前にゴルフ場の裏方で働いていた時の作業服だ。


「おお、腹がへこんでる!ちゃんと二十歳にしてくれたみてえだな。でも、歳は二十歳なのに、服は死んだときの仕事着か、、、、」


顔も確認したいが、鏡もないし水の音もしない。

頭を触ってみた感触として、短髪のようだ。一本毛を抜いてみると、長さは3cmほど、黒髪だった

まあ俺の20歳の時と同じなら当然だな。外見はたぶん俺の20歳の時、そのままだろう。

最優先はスキルの確認だな。そうだな、まずは鑑定から、


「鑑定・・・おおおお?!」


鑑定と試しに唱えてみると、まるでゲームのウインドウのように出てきた。どうやら、目線で意識を向けたものが鑑定できるようだ。

次々に辺り一面鑑定してみると


【薬草】

ポーション等作成の為の材料

そのまま煎じたり、張ったりしても使える


というのが見えた。

俺はそれを手で摘んでみた。


「ふむ、生えてても摘んでも薬草だな。これをアイテムボックスに」


と思った時に右手前に空間が口を開けた。

そこに薬草を入れてみた。


「入るな・・・・アイテムボックス・・・アイテムボックス・・・・」


なんどか開閉してみたところ、言葉にしなくても思うだけで開閉できるらしい。

じゃあ次は自分のステータスの確認だな。


「ステータス、、、、、、ステータスオープン、ステータス確認、メニュー、メニューオープン、インベントリ、、、、」


色々言ってみたが何も開かない。

ああもしかしたら自分を鑑定か?

と、自分に鑑定と意識したら、ステータス画面のようなものが目の前に開いた。



【ステータス】

名前 タカフミ=コンドー 年齢 20

職業 ハードボイルド


LV 1

STR 10

DEX 10

VIT 10

SPD 10

INT 10

MEN 10


スキル

言語理解

召喚魔法lv1 生活魔法 

鑑定 アイテムボックス 詠唱破棄 成長促進



ステータスひくっ!まあレベル1だしな、、、、

生活魔法って何だろ?鑑定できんのかな?


鑑定と考えて生活魔法に向けてみると



生活魔法

浄化 種火 乾燥 かまど



と、出た。


試しに種火と念じてみる

手のひらから、高さ5cmほどの火が立ち上がる


「おお!ファンタズィーーー!」


わかってたが、実際自分で魔法を使うとかなり興奮するな。

思ってたよりも、戦ってもいないのに俺TSUEEEEEE感がすごい。

火から意識をそらすと、火がフッと消えた

次にかまどと念じて足元に眼を向ける。

すると、土がもこもこっともりあがり、50cm四方、高さも50cmぐらいのかまどができあがった。

と、同時に急激に目の前がくらくらしだして、土に膝をつく。


「・・・マジかよ、まさかこれmp切れか?たったこれだけでmp切れってMP低過ぎだろ・・」


HPとMPが表示されてないので、どのくらいのHP、MPがあるかがわからない。

下手したら、一発もらうだけで死ぬのもあるんじゃねーか?

そんなことを考えていたら、めまいは治った。


「しかし、これから1週間歩くのか?生きていけるんかね」


「まあ、切り替えてこ。とりあえず今は生きることが第一だな。生活魔法が種火が火、かまどが土ってことは乾燥が風で、浄化は水じゃねーか?」


試しに乾燥と念じて自分に意識を向けると、扇風機にあたるくらいの風力で自分に向かって風が吹いた。


「おお、けっこう風来るなー、、うわっ」


また目まいがやってきて、座り込んでしまった。


「MP少な過ぎね?!!!」


でも今回は目まいは一瞬で治った。


「とりあえずは、食い物と水のために歩いてみるか、、、、、」


鑑定しながら歩くと、薬草がちらほら見つかる。

それを全てアイテムボックスに突っ込みながら歩く。

そうすると、5m先ほどにうさぎらしきものが見える。

いやウサギと呼ぶのには無理があるな、でかすぎる。

体長は1mないくらいだ。うさぎといいつつ中型犬ぐらいの大きさだ。鑑定すると、、、


【ヒュージラビット】

Dランク lv7


「でけーな、、、、、ちょっと怖いんだけど、、、」


ぼそっとつぶやいた瞬間、うさぎが猛スピードで突っ込んでくる。


「うわ!!!」


左側によけられたが、通り過ぎたウサギを見ると10m先ほどまで走り抜いてる。

そのままどっかに行くのかと思ったら、こっちに振り返った。

ウサギの顔は、俺が認識しているまんまウサギの見た目だが、何故か怒りの形相のように見える。

そしてすぐまた突っ込んできた。

あわてて逆方向に逃げながら、初期武器をもらったのを思いだし、走りながらアイテムボックスを開き手を突っ込む。

棒のような物を握ったので、すかさずアイテムボックスからだす。

それを見た瞬間、俺の足は止まった。


呆然と立ち尽くす俺の背中にウサギの頭突きがヒットして、俺は前のめりに吹き飛んだ。


「ぐうぅ、、、、、いてぇ、、、、」


背骨が折れてるんじゃないかと思うほど痛かったが、怒りがそれを凌駕する。たぶん見る人が見れば、どす黒いオーラが立ち上っているんじゃないだろうか。俺はゆっくり振り向くと、ウサギは1歩あとずさる。


「あ・の・クソガキがあああぁぁぁ!」


俺は痛みの怒りと絶望の怒りに任せて、《バール》の釘抜き側をウサギの後頭部の首筋あたりに渾身の力で振り下ろす。

生々しい肉に刺さる感触が気持ち悪い。だがまだ怒りのほうが勝っている。


「これは・・武器じゃねええええぇぇ!」


そう、俺の初期武器はバールだった。見た目は普通のバールだ。釘抜き側がL字に曲がっており、逆側の先は少し曲がっていて平らになってる。長さは1mぐらいだろうか、結構重い。


「はぁ、、はぁ、、あのクソ女神、、やってくれたな、、、、はぁ、、はぁ、、」


ウサギを見ると、ピクピクして首から大量の血を流している。1分もしないうちにまったく動かなくなる。一撃か、やはり怒りの力は偉大だ。

ちょっと冷静になり、バールを鑑定してみると、


【鋼鉄のバール】

杖 魔法増幅lv1


この、杖って隣の、魔法増幅ってなんだ?鑑定してみるか


【魔法増幅lv1】

魔力量に関わらず事象の効果を増幅する

レベルによってさらに効果が増幅する



一応マジックアイテムだったので、少し溜飲が下がった。

普通のバールだったら、戻ってクソガキの腹に突き刺してやるとこだ。

初めて生き物を殺したが、意外と平気だ。異世界に来たからか補正があるのか、はたまたハードボイルドの効果か。


それはそうと、ウサギをなんとかしないとな。

解体しようにも刃物がないし、解体自体したこともない。

とりあえずウサギをアイテムボックスに入れようとアイテムボックスを開いたが、ウサギは重くて上がらなかった。

ウサギを下ろして、アイテムボックスを閉じる。

ちょっと考えたが、なにも思い付かないので適当に色々やってみることにする。ウサギ耳を片手でもって、アイテムボックスと念じてみる。すると、一瞬で消えた。


「おお!」


アイテムボックスを開き、アイテムボックスの中に手をいれた。

ウサギを持とうと念じただけでウサギの耳を掴めたが、重くて上がらない。

仕方なく手を離し、アイテムボックスを閉じてからウサギをアイテムボックスから出すと念じると、ウサギが何もない空間から飛び出してきて、地面に落ちた。


「ああ、なるほど、こりゃ楽だ。」


何度か試してみたが、薬草のようにアイテムボックスを開いて入れたり出したりも出来るし、重い物はその物体に手をかざしたまま念じれば、入れたり出したり出来るようだ。


「次はまず、この血塗れの手をなんとかしないとな。」


俺は水を探しに森をさまよい歩いた。




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