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召喚術士の冒険記  作者: 壬生方 社箱
プロローグ
2/64

プロローグ2 ※


「ひどすぎるだろ・・・」


俺は幼女の出してきたルーレットを見ると愕然とした。

ぱっと見、半分たわしである。

三個のたわしで異世界生活とか、想像しただけで倒れそうだ。

ルーレットは玉を入れてまわすタイプじゃなく、光がまわるタイプのようだ。項目は100以上ある。半分たわしだが・・・


『だから、三回にしてあげたじゃないですかぁ~』


「俺が言わなかったら一回だったろうが」


『まあまあ、とりあえず一回目いってみよぉ~』


「お、おい!」

俺の心の準備もなく、いきなり電光が回りはじめる。

ティロリロティロリロと懐かしいような器械音を鳴らしながら電光が高速でまわると、スローになることもなくいきなりピタっと止まった。


『おおお! 大当たりですぅ~、これはすごいです。もう、一回でいいんじゃないですかぁ?』

止まった目には、召喚魔法と書いてある。


「いや、三回だから! で、どんな魔法なんだ?ドラゴンとか喚べるのか?」


『これはですね、自分が心の底から必要だと思ってるものを召喚できますっ。一度召喚してしまったら、それが固定になりますね。熟練によって召喚レベルが上がっていくんですが、レベル1で1個、レベル2なら二個増えますっ。レベルは5までなので、15個選択出来るってことですっ』


「すげーな。自分の希望通り15種類も何度も喚べるのか」


『いえ、自分が心の底から必要だと思ってるものです。』

なんか珍しく淡々とした口調で言いやがった。ちょっと引っかかるが、まあ良しとしよう。


「ん?ああ、そういうことね、まあ理解した。」


『じゃあ次いってみよぉ~』

幼女が宣言すると同時にまたルーレットが器械音を鳴らしながら回りはじめた。今度はスローになりながら、駒送りのように停止していく。

一瞬たわしに止まったように見えたが、もう1マス進んで止まった


『あら、またまた大当たりですぅ~。ちょっとやりすぎたかなっ』

止まったマスは便利セットと書いてあった。


「これはどういうもんだ?」


『これはですね、異世界であったら便利なもの詰め合わせですっ 鑑定、アイテムボックス、異世界言語理解、生活魔法、詠唱破棄のセットですっ これお得ですよぉ~』


「たしかにお得だな、意味は大体読んだままでいいのか?」


『はい、向こうについてから色々試してもらえば、すぐわかりますっ』


「了解、じゃあ三回目だな」


『はいっいってみよぉ~』

ルーレットがまた回りだす。それを見つめる幼女と俺。

スローになりだした、今回は1マス進むのに2秒ぐらいかかってる。くそ、ためやがって。

さらに遅くなって、たわしに止まったと思ったら、5秒ぐらい遅れて次のマスに止まった。時空魔法とかいてある。


「ウオオオオオ!これチートだろ!時空ま━━━」

ティロと音がして、隣のたわしに動いた。


『はい、たわしでしたぁ~』


「・・・ふっざけんな、てめえ!時空魔法だったろうが!動かしやがったな!」


『女神はそんな事しませんよっ 現実を受け入れなさい!』


「てめぇ、ふざけんー」

幼女に接近して胸ぐらを掴もうとした時、ティロっと音がして、次のマスに移動した。その位置で今度は点滅している。

あっけにとられて、俺は固まっている。


『ああ、今度こそ確定ですねっ 残念、たわしじゃありませんでした。成長促進ですねっ これはご自身とご自身の隷属となるものの成長を促進させますっ』


「お、おお、そうか・・・まあ、良かった。」

「隷属ってことは、奴隷?限定か?奴隷がいるのか?」


『はい、奴隷限定ですねっ 奴隷はいますよっ ただあんまり悲壮なかんじではないですっ 個人事業者と従業員みたいなものと考えてくださいっ まあ、それがすべてと言う訳じゃないですが、半分くらいは奴隷と言うより従業員みたいなもんですっ』


『それと職業ルーレットを行いますっ 職業はそれに関連するステータスやスキルが強力になる補正がつきますっ でも途中では変えられませんっ やりますか?』


「なんかデメリットあるのか?」


『補正を考えないなら、なにもないですよっ 職業剣士でも魔法使いになれますっ ただ職業魔法使いの魔法使いのが強いってだけですねっ』


じゃあ何故聞いた?やらない理由がない。職業通りにしか生きられないならまだわかるが、職業に合わなくても生きて行けるならデメリットはないはずだ。それを敢えて聞くのか?なんか裏がありそうだ。しかし、、、、、


「やらなきゃもったいねえ、やるわ」

そういうとルーレットの中身がすべて入れ替わり、いきなり回りだした。

ちょっと幼女とのやり取りに疲れて、黙って見つめていると、スローになって止まった。


『はい、貴方の職業はハードボイルドですねっ』


「そんな職業ねーから!」


『もう変えられませーん』

幼女は、両手を顔の横に持っていき、ベロベロとした


こ、このがきゃぁ、、、、、


「で?どんなキャラなんだよ。 まあでもハードボイルドか・・・効果はわからんが悪くはないかな。ちょっと格好いいか。」


『顔にまったく似合いませんけどねっ』


「うるせーよ」


『最後に何か聞きたいことありますか?』


確かに色々聞きたいが、それより異世界に旅立ってみたいと言う好奇心のが強い。でも始めの町の位置ぐらいは知っとかないと詰むな。

「始めの街はどのへんだ?」


『街はですね、これから転移するとこから、歩いて7日ぐらいですねっ』


「7日は遠すぎるだろ、、、、そこはどんな場所だ?」


『大丈夫ですよっすごいスキルもありますしっ はじめはちょっとつらいと思いますが、なんとかなりますって。ハードボイルドですしっ』


「ハードボイルド関係ないだろ、、、、、、いや、そんなことより、そのはじめで死ぬだろうが。攻撃は召喚しかないし、どうせあれだろ?始めの召喚されるやつは弱いんだろ?ついて5分で死んだら笑えねーんだが?」


いやまて、RPGの基本は、はじめはスライムだ。意外となんとかなるか?


「あ、ああ、もしかして回りは弱いやつばっかか?」


『いえ、魔の森と呼ばれてますねっ』


「殺す気かてめぇ! せめて序盤なんとか出来るものを寄越せよ!ハードボイルドなめてんのか?」


『むう、仕方ないですね、ここまでサービスさせといてさらにねだるとか、強欲なハードボイルドですねぇ~』


「ハードボイルドをネタに使うな、で、なにくれる?」


『初期武器をあげましょう、貴方のアイテムボックスにいれておきますっ向こうで取り出してくださいっ』


「・・・そうか、ならまあいい。それと俺の身体は二十歳にしといてくれよ? いや、まあ、なんだ?色々言ったが、悪かったな、それとありがとうな。普通なら死んで終わりだったんだ、感謝してる。女神様、名前はなんてーんだ?」


『最後にデレたんですか?私はあげませんよっ?』


「ガキは趣味じゃねえよ」


『私の名前はティルノーグです。女神ティルノーグ。それでは幸せな異世界ライフをお過ごし━━━』


女神の最後の言葉を全て聞き終える前に、俺の意識は暗闇に消えるように落ちていった。



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