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召喚術士の冒険記  作者: 壬生方 社箱
第一章 エスカード編
17/64

第十五話 ※


黄色い太陽だ。この光景を見たのは何年ぶりだろう。

目が太陽に焼かれてしまうほどだ。

あれからもう7日が経っている。


俺は、俺たちは今宿屋にいる。部屋を振り返ると一糸まとわぬ淡い小麦色のダークエルフが、長い髪を広げてうつ伏せに大の字に寝ている。

いや、寝ているのか?よく見ると全身がピクピクしてる。寝てると言うより、もうなにもしたくないと言うアピールか、お前いいかげんにしろよってアピールに見えなくもない。


俺が言えるのは一言だけだ。


「いやーーーーー若いってすばらしいいぃぃぃぃぃ!」


宿屋の窓から上半身裸で叫ぶと、下から数人がちらっとこっちを見たが、なにもなかったようにみんな歩いていった。


俺は上半身裸のままたらいの水をトイレに捨てに行って、二つのたらいにお湯を出した。

え?お湯はもらうんだろって?ちょっと時間をさかのぼろう。

アレは5日前、そう、ナタリーが俺のところに来て一日経った時だ。

前日にお湯はたらいでもらっていたが、冷めるし、夜中でもお湯がほしい時は欲しい。仕方ないのである。どろどろになるのだから。

そこで左で浄化水道を出しながら、右の種火で流れる水の横からあぶったらお湯にならないかと試してみた。当然流れる速度と火力の比率が悪過ぎてなるわけがない。

次は、たらいに貯めた水に、手から種火を出して水をあぶってみたが、約30分あぶっても少し暖かくなったかな?程度にしかならない。もっと火力を出せばいけるかもしれないが、宿は木製だし、たらいも木製だ。危なくて出来ない。

次に試したのは片手で弱く浄化水道を出しながら、片手で火を出しながら同時に手を合わせたらどうなるかとおもったら、水道を出してる手が熱かった。無理だ。


色々考えたが効率がいいのはかまどで炊くぐらいしか思いつかない。もう無理かなーってあきらめた時に、ナタリーがヒントをくれた。


「ご主人様は錬金術士なのですよね?火と水を魔方陣に乗せて錬金とかは出来ないのですか?」


「何を言ってる、、、なにを、、、、可能、、、なのか、、、、?」


火と水の錬金の魔方陣なんて当然かけないが、俺には練成がある。

片手に火、片手に水で練成をして、お湯を練成はできるのか?

たしかに物理的に暖めるのは、道具がないと無理だった、でも錬金も練成も魔法だ、可能性はあると思い試してみた。


右手に種火の魔力を貯める。左手に浄化の魔力を貯める。ここまでは並列魔法の練習でやった。

そこから、足元にたらいを置き胸の前でバスケットボールを掴むような感覚で、火と水を材料にお湯を練成するイメージを作り上げる。胸の前で見えないバスケットボールを掴むような手をプルプル震わせて、その手の間のなにもない空間からお湯が流れ落ちるイメージをする。湯気がもくもくあがるイメージ、、、イメージ、、、、、


「練成!!」


なんとなく気合で声をあげると、イメージどおりに手の間の空間からお湯がざーーーーーっと滝のように落ちる。


「おおおお」

「わあああ」


お湯を出すのをやめ、触ってみると


「あっつぁ!!!!」


うん、熱かった。

浄化水道をチョロチョロ出し、温度を調節する。

あれだな、湯気がもくもくが悪かったな。


2個目のたらいで、温度が43度、さら~っと湯気が立つ感じのイメージだ!

また同じように練成する、手の間から少し湯気が立つようなお湯が流れ落ちる。

触ってみたらいい温度だ。


「どうなのよ?!」

おれは抜群のドヤ顔をして、ナタリーを見る


「さすがご主人様です。ご主人様はなんでもお出来になりますね」


「まあ、我々クラスになれば、このくらいはおちゃのこさいさいよ」


「我々?おちゃのこ?」


こんなやり取りがあってお湯が練成できるようになった。魔法は万能過ぎるな。

さすが生活魔法、生活がどんどんしやすくなる。


この6泊7日の内容は、これの練成以外ではタバコの召喚を1000本行っている。いざとなったら吉田に売りつけてやろうと思ったからとちょっと在庫が減ってきたからだ。

1000本の召喚で召喚がレベル3になった。だが召喚はまだしてない。ここが正念場な気がするからだ。心の底から必要だと思えるときをねらってレベル3を召喚しようと思う

それ以外のこの期間の内容は語る必要はないだろう。

ずっとベッドで二人で躍り狂っていただけだから。


さて、着替えて幼女を迎えにいってやりますか!


「汚れた服をまとめとけよ、宿に出して洗濯してもらおう」


「ご主人様、洗濯は私が行います、部屋に置いておいてください」


「いや、そういうのは家を用意してからやってもらうから。今は金で解決しよう。あとアリサにもやらせろよ?なんかナタリー1人でやりそうだから」


「私は苦ではありませんが?」


「いや、2人でやることに意味がある。それと今のうちに言っとくが、奴隷は多分また増やすから。理由はアリサが来てから説明する。」


「かしこまりました、問題ありません」


「ナタリーは一番奴隷だから。奴隷を取りまとめるのも仕事になると思うぞ」


「一番奴隷、、、そうですね、拠点が出来ましたらちゃんと役割を分担し、取りまとめます」


あれ?うれしそうだ。一番奴隷に意味があるのは日本のマンガで知ってたが、そこまでうれしそうなものなのか。


俺は作業着を着た。ナタリーを見ると淡い小麦色の肌に白い下着上下をつけている。やばい。たまらない。若いって恐ろしい。

ちなみにこの世界の下着は男性はトランクスが主流、女性は上はブラ、でもワイヤーは入ってないみたいだ。下は日本の通常の形のもあるが、かぼちゃパンツもある。好みみたいだ。

ナタリーは日本の通常の形のが好きみたいで全部それだ。ゴムがあるからね、ある程度衣類はなんでも作れるよね。

ナタリーは今日は、上は白いブラウス下は薄緑の膝丈のフレアスカートだ。何着てもかわいい。


「ナタリーはなんでもよく似合うな」


「ありがとうございます!」


こういうちょっとした気遣いも忘れない。こういうのが大事なのだ。前世?の結婚も無駄じゃなかったのだ。


2人で奴隷商に向かうと、ナタリーは腕を組んできた。ちょっとびっくりした顔をしてしまったら


「ダメでしたか?」


「いや、良いに決まってる。嬉しいよ」


ナタリーはちょっと顔を赤くしてうつむいたまま腕を組んでいる


そのまま奴隷商に歩き、ボーイに話をして中にいれてもらう。

応接室にはいると、アリサが腕組みをして仁王立ちでソファの奥に立っていた


「遅いじゃない!! なっ! いちゃいちゃしてんじゃないわよ!」


「ああー仕方ないだろ、ラブラブなんだから」


「アンタ本当に今まで、、、、?」


「ああ、なあ?ナタリー?」

ナタリーは顔をまっかっかにして、うつむいたまま黙っている。


「くっ、わかってるでしょうね?私をないがしろにするんじゃないわよ?」


「まあ、ゆっくりいこうや。今日の俺は仏なんだ。悟っているんだ」


「1人で賢者になってるんじゃないわよ!」


そうするとサムソンが入ってきた。


「お待たせいたしました。さっそくですが、アリサの譲渡を行いましょう」

サムソンはナイフの刃のほうを持ち、柄のほうを俺に差し出した。

俺は指先を切り、アリサの首につけた


「ん、、」


アリサが少し声をあげる。


「はい、完了いたしました。お客様はこれからも奴隷を増やす予定でございますか?」


「ああ、名乗ってなかったな、悪い。タカフミだ。奴隷は増やすが今は考えてない。もうちょい落ち着いてからだな」


「ガンガン増やしなさいよ。男ならハーレムでしょ」


「お?いいのか?こういう時って反対するもんじゃ?」


「私は理解がある女なのよ、アンタはガンガン増やしなさい、そして私にも種をつけなさい」


「・・・・お前が大人になったらな」


「ヘタレ、、、」


「うるさい」


「では、タカフミ様、またのご入用の時は是非お声かけください」


「ああ、ここはいい奴隷がいそうだからな、またくるよ」


俺たちは外に出る。俺は振り返って2人に話をする。


「まず、俺たち3人は色々話し合う必要がある。宿で話すが、その前に一通り必要なものを買おうと思う。ナタリーは服は買った。だから今日はアリサの服を買いに行こう。それが終わったら、2人の装備を買いにいく。俺たちは冒険者としてやってくからな」


「冒険者ね、望むところよ私は剣でばっさばっさ切ってみたいわ。それでいつかは聖剣とか持つの!」


「いや、アリサお前は魔法使いだ」


「え~~~~って魔法使い?もしかして私使えるの?」


「まあそれは宿に行ってからな。だからアリサは装備を買うときは魔法使いの装備を選べ」


「・・・・・わかったわ」


「ナタリー、お前は剣術ができるって言ってたな。」


「はい、多少ですが」


「それはどういうふうにやってたんだ?」


「どういう? 普通に左に小さな盾をもって、右手で剣を使ってました」


「ああ、それだな」


「え?」


「ナタリーお前は両手に剣を持て、両手剣で戦うんだ」


「両手に剣ですか?私はそんなに力は強くないですが、、、、」


「いいのよ、ナタリー。その辺は宿屋でコイツが説明してくれるわ。今はこれからいく武器屋でそれを選べってことよね」


「わかりました。ですがアリサ、ご主人様をアンタとかコイツはちょっと、、、、、、」


「あ、、えー、、」


「いや俺は別にいいが、その辺も宿に戻ったらナタリーにも説明してやる」


「はい、かしこまりました」


「じゃあ私はフミ様って呼ぶわね!」


「・・・・キモッ」


「アンタ乙女にキモっとか言うんじゃないわよ!!!」


こんな話をしながら、いつもの服屋にいく

アリサもナタリーの時と同じように服を選ぶ。アリサがどっちのパンツを選んだのかは確かめる必要がないので気にしない。


「ねえ、フミ様!これどう?可愛い?」

アリサはガリガリのゴスロリを着ている。


「ああ、かわいいかわいい」


「アンタはホントかわいくないわね!!」


服を選び終わり、金を払ってアリサから服を受け取りアイテムボックスに入れる。アリサはゴスロリとローファーの靴に着替えたらしい。


「アン、、フミ様はスキル盛りだくさんね、相当チートもってるんじゃない?」

アリサはアイテムボックスに気づいたようだ。日本の知識があるからなのか、びっくりはしない。


「まあこの世界を満喫できるくらいはあるよ」


「まあ頼りにならない旦那様よりいいわ」


そのままナタリーに案内してもらってこの街で一番大きな武器屋にいく。

それぞれみんな武器屋の中を見て回る。

俺はひげづらのおっさんに


「金に糸目はつけない、いい武器をくれ。1人は魔法使い、1人は両手に剣だ」

ちなみに今の全財産は金貨70枚前後だ。こまかくは覚えてないし、数えるのもめんどくさい。


アリサがこっちの話を聞いて、くちをはさんでくる

「ちょっと、いきなり一番いいのを買うの?こういうのは徐々にあげていくもんじゃないの?」


「それもいいかもだが、例えばミスリルの武器を後で買うなら、今買っても同じだし、その道中の武器にかけた金の分だけ損するじゃないか」


「まあそういうのもありかもね、わかったわ。武器は任すわ」


「私も武器はご主人様にお任せいたします」


「ということだから、なんかすごいのある?おっさん」


「ふむ、、、、」

ひげおっさんは裏に行って戻ってきた。


「杖はこれだな、これどうだ?」

杖は全体がミスリル製で、杖の先の形は鷲のモチーフがくっついている。その鷲の目には右目が赤い石、左目がかなり薄い水色の石が埋め込まれている。鑑定をすると


【堅牢鷲のミスリルロッド】

杖 魔法増幅lv3 付与魔法[魔法障壁]


さらに細かく鑑定する


【魔法増幅lv3】

魔力量に関わらず事象の効果を増幅する

レベルによってさらに効果が増幅する


【付与魔法[魔法障壁]】

付与魔法を所持していなくても

魔法障壁を行使可能になる


「この杖はな、赤い目が火魔法を水色の目が水魔法を強化すると言われてるんだ。魔法使いならぴったりだろ」


ぜんぜん違うよ、、、、お前商売やってけるのか?

そうだよ鑑定がないのに、武器とか防具の魔法効果はどうやって調べてるんだろう。

魔法探知を持ってれば、魔力を持ってるかはわかるだろうが、効果はわからんだろ。

こりゃあ、武器を作れる仲間が必要かなー。


俺は飛びつきたいほど買いたい気持ちを抑え冷静に話をする

「そっか、、アリサは魔法使いだけど風なんだよなー」


「私、風なの?!!」

ちっ空気の読めないやつめ

俺は振り向き、アリサをキッとにらみ黙らせる。

アリサはビクッとしてまた防具を見に行った。


「ああ、、、まあモチーフがかっこいいから買ってもいいかな。いくらなんだ?」


「金貨20枚だ」


「うーん悪くはないけど、剣も買うんだよなー2本も。なんか仲間たちは防具も選んでるから防具も買うかもなー」


「・・・・・わかった、俺はちまちま値下げして値下げ合戦みたいなやり取りは好きじゃねー。杖は金貨15枚だ。限界だ。これ以上は無理だ」


「わかった、それでいい。じゃあ剣を頼む。剣は、、、、そうだな、、、、あれがいいなあの形でミスリルとかないのか?」


俺は武器屋の壁にかかっている《ククリ》を指差す


「ククリか。扱いが結構むずかしいぞ」


「そうなのか?」


「重心が結構前の方にあるし、刀身がまがっているからな。くせがあると嫌いなやつも多い」


「まあとりあえずアレのミスリル見せてくれよ」


ひげおっさんはまた裏に入ってきて、2本のククリを持ってきた。柄と刃の付け根あたりに透明の玉が3こ埋め込まれている。

鑑定をする


【ミスリルのククリ】

小刀 劣化防止 重量軽減 斬撃効果増加lv3


【劣化防止】

切れ味の劣化を防止する

また腐食も防止する


【重量軽減】

刀身の重量を1/3にする


【斬撃効果増加lv3】

斬撃効果を増加する

レベルによってさらに増加する


毎回思うが、鑑定の説明がアバウトなんだよな。更にってどのくらいなんだよ。

でも効果はばっちりだ。ナタリーの弱点を補い効果を増幅し、劣化による武器の損失を防ぐ

2本ともまったく同じ効果だった

最高だな。


「これはいくらなんだ?」


「これはギガントムテム国から仕入れた物だ。最高の品と言っていいだろう。1本金貨25枚だ」


全部買ったら金貨70枚じゃねーか。吉田をちょっと揺さぶろう。


「いい。買うよ」


「・・・・金はあるのか?」


俺は金貨袋をアイテムボックスから取り出し、そこから数えて70枚だした。

残りは2枚だった。


「すげーな、あんちゃん。金払いもいいが、空間魔法もあるのか」


俺は後ろを振り返ると、2人とも俺の真後ろにいた


「おわ!・・・びっくりするだろ」


「なにもしてないじゃない?買ったの?」


「ああ 金貨70枚飛んだ」


「70枚?!!!!私が3人買えるじゃない!!!」


「・・・お前嫌な換算の仕方するなよ」

「まあでも当分武器はこれでいけるんだ、わるくないだろ」


「アン、、、フミ様がいいんならそれでいいわ」


「私の武器は、すごい高かったんじゃ、、、、?私はあっちのやつでもいいですが」


「お前らが死んだら俺は大損だし、俺の命もお前らがいれば助かる。だから金で済むことは金で済ませばいいんだよ」


「その考え、嫌いじゃないわ」


「はい、かしこまりました」


「鎧はどうした?」


「私は後衛だからとりあえずはいらないわ」


「私は、避けるタイプの剣士でしたので、私も防具は動きづらいです」


「それよりフミ様の武器と防具は?」


「俺は武器はある。あとで買うけど今はいい。防具は、、、そうだな、この服作業着だから厚手なんだよ、結構刃が通らないぞ」


「たしかにそうね、例のとこの生地ね?」


「そう」


「ならいいか」


「ああ、おっさん、彼女ら2人に皮のガントレット、俺に鉄のガントレットをくれ」


「なら金貨3枚だ、そこから好きなの持ってってくれていい」


くっ、ああ、銀貨とかかき集めて何とかあった。早く稼がないと。


「わかった、ありがとな」


「毎度あり」


俺たちは1人ずつ両手分のガントレットを店内から取ってもってかえった。一応鑑定してみたけど魔法効果があるやつはなかった。

そして店を出た。


「宿で説明するけど、この武器すげーぞ?店でも鑑定できてない。俺の鑑定内容とまったくちがうことを言ってたよ」

おれはハハハとわらって告げた。


「じゃあ儲かったのね?」


「うーん、それはどうかな?金額的には俺が覚えたこの世界の相場を考えたら妥当って気もするけどな」


「ふーん、私は大きな買い物したことないからわからないわ」


「私もミスリルの実物を始めて見ましたので、、、」


「まあいいさ、いい武器ってことは変わりないから」


話ながら宿屋に向かって歩く。武器をアイテムボックスにしまったら、ナタリーは腕を組んできた。アリサはそれを見てもなにも言わなかったが、俺の隣を触れるか触れないかの距離で並んで歩いた。

さあこれからのことを話す大事な話し合いだ。二人は自分のことさえ知らないんだ。説明したらびびるだろうな。

毎回びっくりされても疲れるんだがな。



次回は完全説明回です。


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