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マフィア殲滅作戦

ツバキが殺したわけではないけど、マフィアの一人が死んでしまったため、借金を返して終わりという事はもうできない。そもそも、三千万コモなんて大金払えないけどな。


俺たちの目標は、ツバキを救うこと。そのためには、いっそ逃げたらいいんじゃないかと提案したが、借金を踏み倒すして逃げられるとマフィアの面子に傷ができるので、どこまでも追ってくると思いますとツバキが言うんので、逃げる案は駄目だ。


話し合いで解決するのは、既に一人死んでいるし、今より悪い状況になるだろうから却下だ。


誰かに助けを求めるのは駄目だ。一人の人間を救うために、マフィアを敵にまわすようなこと誰もしない。誰も頼れないから、ツバキは俺たちを頼っているわけだからな。


となると、選択肢は残る一つだけだ。

それは、マフィアを潰すことだ。報復されたら面倒だから全滅させる。


そ、そんなこと無理ですよとツバキが言ってくるが、無理かどうかはやってみないとわからないだろ。誰もマフィアの規模がわからないので、ちょっと不安もあるが、何とかなるだろう。


「強い敵が出てきたら、頼りにしているからな、アリサ」


「うん、任せて!」 

力強く頷く。


「ツバキ、マフィアの拠点の場所と人数わかるか?」


「私が知っているのは、最初に連れてかれた所だけです。人数は……たぶん十人くらいだと思います」


「まずは、その拠点を襲撃しよう。マフィアの情報を吐かせるために、五人は生け捕りにして後は、殺していい」


「本当に私たちだけで、マフィアを潰せるのでしょうか」

震える体を抱きしめツバキが聞いてくる。


「さあな。情報が少なすぎてわからんが、やるしかない。そのためにも、俺は色々と準備するものがあるから、先に町に行ってるが、お前たちはここで待っていろ」

町が見えてきた時に言い、カナタは走って町に向かう。


「ちょ、ちょっとカナタ!」

慌てて声をかけるが、心配するなと手を振って行ってしまう。


「まさか、このまま置いて行かれてしまう、なんてことはないでしょうか」


「そんなことはないよ……たぶん。もし、カナタが戻って来なかったとしても私がついているから、大丈夫」


「今のは冗談です。本気で置いていくとは思っていません。根拠はないのですけど、カナタに任せたら本当にどうにかしてくれるような気がします」


「そうかなあ? 私にはよくわからないわ」



カナタは町に着いて、まずギルドに行き依頼を達成した証を見せ、報酬をもらいすぐに出る。

色々な店に行き、全身を覆えるフード付きの黒いマントや魔力回復薬、投げナイフ、ロープなどを買う。

買った物を持って、アリサたちの所に戻る。


ツバキにマントと魔力回復薬、投げナイフを渡す。

メイド服のままだと目立つので、マントを着るよう言う。マントを着た方が悪目立ちしそうだが、マフィア共に正体がばれないためなので問題ない。

マントを着て、フードまで被ると誰かわからない。


魔力回復薬を飲むように言うと、嫌な顔をされる。まずいから、あまり飲みたくないですと言うので、無理矢理飲ますぞと脅すと、目をつぶり何かを我慢するように一気に飲んだ。表情を見ただけでまずいのが伝わってくる。飲む機会が来ないことを祈る。


もう一本飲むかと言ったら、首を左右に振り拒否した。一本でだいだい魔力は回復するようだ。


簡単にこれからの作戦を話す。


「作戦を話す前に聞いておきたいことがある。アリサ、ツバキ、人を殺せるか」


「私は大丈夫だよ。冒険者をしてたら、盗賊に会うこともあるしね」

アリサの方は心配していなかったのでいい。問題はツバキだ。


「私は……わかりません」


「そうか。できないならできないでいいが、もし自分の身が危険な時は躊躇なく殺せ」


「……はい」

まだ覚悟を決めれないが頷く。


「作戦は簡単、俺とアリサが斬り込んで敵を無力化する。ツバキはサポートと敵が逃げださないか見ていてくれ、逃げだしたら足にナイフを投げるだけでいい」


カナタが私を気遣っているのが分かる。その事自体は嬉しいが、私自身の問題なのに任せきりで情けなくなる。せめて足手纏いにならないようにがんばらないと。


町に入り、裏路地を通り、マフィアの拠点へ向かう。

ブレスの効果時間は二時間程度なので戦闘中に切れたらまずいから、もう少しで拠点に着く頃にブレスを全員にかける。


マフィアの拠点に着く。まずは小手調べだ。

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