表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/52

勧誘と調べもの

声をかけるまでが勇気いるな。

やっべ、緊張してきた。心臓が早鐘を打っている。

女の子と話すことなんてあまりなかったからなあ。話したことあるのは来栖だけだしな。しかも、相手は見たことがないほどの美少女だ。別に来栖が美少女じゃないわけではないが。


こういう時は、一旦、深呼吸をして落ち着こう。

第一印象は大事だからな。第一印象でだいだい決まるといっても過言ではない。

覚悟を決めろ。俺ならできる。圧倒的な実力差のある相手にも立ち向かえたんだ。

なら、女の子に話しかけることなど、造作もないはずだ。


よし! 行くか。

彼女に向かって歩いていく。

「や、やあ。ちょっといいかな?」

「何か用?」


「お、俺とパーティーを組まないか?」


「……あなた、私のこと知らないの?」


「確かパーティーが二回全滅したんだっけ?」


「二回じゃなく、三回よ」


「俺はそんなこと、気にしないよ」


「私と組めば死ぬかもしれないのよ」


「大丈夫だ。俺は死なない」


「何を根拠にそんなこと言っているの?」


「俺が自分を信じているからだよ」


「そんなの、何の根拠にもならないわ」

呆れられながら言われた。


やっぱ、無理か。でもまだ諦めない。ここは、強引に押していくか。

「君はパーティーを組むことで相手が死ぬのが嫌なのか?」


「それは……そうよ。私とパーティーを組んだせいで、相手が死ぬのは嫌に決まっているじゃない」


ちょっとイラッとしてくる。

「君のせいで、俺が死ぬと思っているなら、それは思い上がりだ! 

馬鹿にするなよ! 俺が死ぬのは単に俺が弱かっただけで、君は全く関係ない。 

……だから、俺と組もう」

やってしまったと思うがもう遅い。これは終わった。


「……わかった。あなたとパーティーを組むわ」


「……え? マジで?」


「ええ、本当よ。私はアリサ。これからよろしく」


よっしゃあー! 何か知らんがパーティーを組めた!

「ああ、よろしく。俺はカナタだ」


「それで、これからどうするの?」


「そうだな。今日はもう遅いし、特にやることはないかな」


「そう。じゃあ、明日は?」


「明日は簡単な討伐依頼を受けよう」

新しい武器の試し斬りもしたいしな。


「わかったわ。それじゃあ、明日の朝にギルドでね」


「ああ」


そう言ってアリサはギルドを出ていった。


アリサの態度は素っ気ないが、まあ、最初はあんなもんだろう。

これから一緒に冒険していく内に、仲良くなればいい。




さて、どうするか。宿屋に帰って寝るには早いし、町を適当に散策するのもいいけど。

そういえば、昨日遭遇した怪物について調べてなかった。


一応、ギルド職員に聞いてみたが、知らなかった。

それなら、自分で調べてみるか。

ギルドには魔物とかの資料があり、冒険者なら誰でも閲覧することができる。

二階にある資料室に行き、Bランク以上の魔物の資料を見る。あの怪物はスピアマンティスより強かったからな。

パラパラと資料を流し見るが、それらしいものは見つからなかった。

ついでに、何かの役に立つだろうから、Cランク以下の魔物の情報もざっと見ておく。


新種の魔物という可能性もあるが、何か違う感じがする。やはり、あの怪物は魔物ではないのだろうか?

魔物ではないのなら、その他の生物ということになる。

この世界には、知性ある四つの種族がいる。


≪人間族≫ 身体能力、魔法適正ともに、並程度。この世界で最も数が多い。


≪獣人族≫ 身体能力が高く、魔法適正が低い。犬や猫、狐などの耳や尻尾を生やしている。


≪妖精族≫ 身体能力は並、魔法適正が高い。森妖精種と山妖精種の二種がいる。

森妖精種は、耳が長く、森に棲んでいる。全種族中最高の魔法適正を持っている。

山妖精種は、筋骨隆々で短身の体。鍛冶の腕に優れている。

      

≪魔人族≫ 身体能力、魔法適正ともに高く、この世界で最も数が少ない。

悪魔種、吸血種、鬼人種など、いくつかの種がいるが詳しいことはわかっていない。

中には既に絶滅している種もいる。



あの怪物である可能性としては、魔人族が一番高いと思うが、魔人族についてわかっていることが少なすぎるので、何とも言えない。


ここで、調べていてもわからない。

凝り固まった体をほぐす。窓から外を見ると、すっかり陽は落ち、もう夜だ。

長い間、調べものをしていたみたいだ。


その後は、宿屋に帰り、すぐに寝た。

さらりと種族の紹介でした

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ