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白い髪の少女

ヒロイン登場?

鍛冶屋に着いたので、扉を開けて中に入る。


「何の用じゃ!」

入った瞬間に、筋骨隆々のおっさんが怒鳴って来た。

「……これで、武器を作ってほしい」

いきなり怒鳴って来たので、少し驚いたが答える。


「ああん? これはどうやって手に入れた?」

こちらをじろじろと品定めするように見ながら、言ってくる。

「どうやってって、普通に魔物を倒して手に入れたんだけど」

「嘘をつくな! 貴様みたいな剣も碌に扱ったことのないやつがスピアマンティスを倒せるわけない!」

いや、確かに剣を初めて扱ったのは昨日だけど、スキルや魔法で倒したとは思わないのか?


「実際に倒したから、これを持っているんだよ。で、武器を作ってくれるのか?」

「ふんっ、まあいい。武器を作ってやらないとは言ってない。それでどんなものにする?」

偏屈なおっさんにちょっとイラッとしたが、武器を作ってくれるなら、まあいい。

「両手、片手持ちどちらもできる両刃の剣と、短剣、それとこれで胸当てと籠手を作ってくれ」

リュックからスピアマンティスの甲殻を取り出しながら言う。

「わかった。明日の朝までに作ってやる」

採寸とかいいのかよと思ったが、しなてもできるんだろう。


「ああ、それとこれ買い取ってくれ」

折れた脇差と刃を取り出して言う。新しい武器が手に入るので、売ることにした。持っていたとしても荷物になるしな。

「これなら、五千コモだな」

脇差を見て言う。まあ、そんなものか。銀貨五枚を受け取り鍛冶屋を出た。


武器もないし、魔物を倒しにも行けない。さて、これからどうしようかな? 

うーん、ギルドにでも行こうかな。昨日の件で思ったのだが、一人で冒険をするのは、やはり危険が多いと思う。

一対一なんて状況はあまりなく、だいだいは相手の方が数が多い。

なら、こちらも数を増やさなければならない。


問題はある。仲間を募集するとしても、信用できるか。

今は、はっきり言って、他人を信用できない。危機的状況になったら、仲間が逃げるかもしれない。人間、自分の命が一番大事だからな。

その場合は、俺の方が先に逃げるがな。


最初から信頼のおける仲間なんか出来るわけがないので、パーティーを組んで、冒険をしていくうちに徐々に信頼関係を築いていくしかないな。


それで、仲間にするなら、どんな人がいいか。

実力は、Dランク以上がいいな。できるなら、かわいい女の子がいいが、それは高望みかねえ。


考え事をして、歩いていたら、冒険者ギルドに着いた。

ギルドに入ると他の冒険者たちが先程のことを詳しく聞いてきた。

聞かれたことには、大体正直に答えた。

運が良かったら、あんたらでもスピアマンティスを倒せるかもよと言ったが、あまり信じてないみたいだ。普通に実力で倒したと思われてる。


パーティーを組まないかと誘われたが、全部断った。本当は、そんなに強くないし、頼られても困る。パーティーを組むなら、俺の方が頼りたい。


ふと、ギルドに入ってきた冒険者の少女に目を奪われる。

今まで見たことがないほど、美しい少女だ。

腰まで届く長い白色の髪、翡翠色の目、右目には黒い眼帯を付けているが、少女の美しさは微塵も揺るぎはしない。


「あいつは、見た目はいいけど、やめといたほうがいいぞ」

見とれていると、傍にいる冒険者に言われた。

「は? 何で?」

「あいつと組んだパーティーは、全滅するって噂だぜ」

「それって、本当なのか?」

「本当だぜ、あいつと組んだパーティーが二回も全滅したのを知ってるからな」

「そんなの、偶然じゃないのか?」

「たとえ、偶然だとしても、もしもってことがあるからな。誰だって死にたくはないのさ」

「なるほど。そういうことか」


本当にパーティーが全滅した理由が彼女にあるのか? 単純に他の奴が弱かっただけじゃないのか? 

それとも、逆に彼女が強くて生き残ったとか。もし、本当に彼女が原因なら、それはそういうスキルとかを持っているんじゃないか。でも、そういうスキルを持っていたら、わかるはずだが。

まあ、ここで考えてもわからないし、そんな迷信は信じない。迷信のせいで、せっかくの機会をふいにするなんて馬鹿げている。


「ところで、やっぱりパーティー組まないか?」

「……そういえば、昨日パーティーが全滅したんだ。」

俺のパーティーじゃないけどな。

「え?」

「その後に狼の群れに襲われて、スピアマンティスにも襲われて、死にそうになったんだけど。俺とパーティー組むとこういうことあるかもしれないけど、組むかい?」

「……遠慮しておく」

しつこい勧誘が去った。


よしっ。彼女を勧誘しに行くか!

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