意外に強かった?
今さら気づいたが、投げナイフ回収するの忘れてた!
まあ、しょうがない。あの時は、疲れていたからね。
そんなに高いものでもないし、いいか。
目が覚めると、もう昼だった。
いやー、よく寝た。昨日の疲労が嘘のようになくなっている。
すごく腹がへったので、下の食堂で、腹一杯食った。満足だ。
部屋に戻り、荷物を全部持ち、宿を出た。
まずは、冒険者ギルドに行くかと思ったが、また注目を集めていることに気付き、そういえば服がボロボロだったの完全に忘れてた。
うーん、どうしよっかなー。
このままギルド行ってもいいけど、こんな格好でいけば無駄に目立つし、先に服を買うか。
古着屋に行き、どうせ、冒険者やっていたらボロボロになるかもしれないので、適当にいくつか買った。後、マントも買った。緑色がなかったので、青色にした。まあ、青色も好きだしいいかな。
試着室があったので、買った服に着替えて、ギルドに向かう。
王都にあったギルドと比べると小さい。当たり前だけど。
扉を開け、ギルドに入る。
昼過ぎだからか、人が少ない。並ぶこともなく、ギルド職員のいるカウンターまで行く。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。素材の買い取りでしょうか?」
「ああ」
「それでは、素材をカウンターの上に置いてください」
「買い取り金額聞いた後にやめることできるのか?」
「はい。査定だけもできますよ」
「なら、頼むわ」
まず、肩に担いでいる槍をカウンターに置き、リュックから狼の牙と鎌切の甲殻を取り出して置く。
「査定するものは以上でしょうか?」
「ああ」
「では、冒険者証の提示をお願いします」
首から下げていた冒険者証を渡す。
それを受け取ったギルド職員が驚いた顔をする。
ん? 何もおかしなことは載ってないはずだが、どうしたんだ?
冒険者証に載っているのは、冒険者ランクと名前、あれば、スキルと魔法、後はギルドに預けている金額だ。
ちなみに、俺の冒険者証はこんな感じになっている。
ランク F
名前 カナタ
スキル なし
魔法 ヒール
金額 百五十万コモ
いたって普通だ。金額以外は。
「すみません、これらの魔物はあなた一人で討伐したのですか?」
「ああ、そうだが」
鎌切が大狼や狼たちをほとんど倒したのだが、態々言うのも面倒だから言わないことにした。
「っ! わかりました。素材の査定に少し時間がかかるので、掛けてお待ちください」
何か反応が変だったが、まあいい。言われた通りに適当に空いている椅子に座る。
「坊主、お前なかなかやるじゃねぇか」
おっさんが話しかけてきた。
「何が?」
「何がって、おめぇ、坊主が持っていたあの槍はCランクのスピアマンティスのものだぞ」
「……は?」
あれがCランク? 確かに強かったが、冒険者になったばかりのFランクの俺が倒せたんだけど。
まあ、倒せたのは運が良かっただけだけどな。もう一度やったら、今度は絶対死ぬ。
「何だ、知らなかったのか。でも、若いのにもうCランクか、すごいなあ」
Fランクだが適当に頷いておく。
「おっさん、ランクは?」
「俺かい。俺にランクはないぜ。なぜなら、酒を飲みに来ているだけだからな!」
がっはっはっはっはと笑いながら、去っていくおっさん。
なんで、態々冒険者でもないのに冒険者ギルドで酒飲んでるんだよ。
ギルド職員に呼ばれたので、カウンターまで行った。
「まずは、討伐報酬として、二百三十万コモです」
すっげー! こんなにもらえるの。お金を受け取る。
「今回の討伐で、カナタさんの実力を考慮し、Dランクに昇格となりました!」
え? マジかよ? Dランクって二階級特進じゃん。殉職してないんだけど俺。
周りがざわついているのに気づいた。
Dランクに昇格? じゃあ、Eランクだったてことか。EランクでCランクの魔物倒すなんてマジかよ。
そんな声が聞こえてくる。
ああ、やっと職員が驚いていた理由がわかった。
Fランクの冒険者がCランクの魔物を討伐したなんて、驚いて当然だ。
後の素材に関しては、狼の牙を全部売って、二十万コモもらった。スピアマンティス? の素材は槍は武器に、甲殻は防具に加工できると聞いたので、売らなかった。
ちなみに、大狼はDランク、狼がEランクの魔物だった。
騒ぎに巻き込まれるのが嫌だったので、さっさと終わらせて、ギルドを出た。
とりあえず、武器をどうにかしないといけない。
なので、スピアマンティスの素材で武具を作ってもらうべく、鍛冶屋に行く。
良い武具が手に入るぜ!




