がんばれサイトウ
俺は人生初のハワイにいた。どうやら肌の黒い人も白い人も黄色い人も楽しそうだ。こんな土砂降りの日に。
これがスコールというものなのだろう。そこら中の看板がカタカタ震え、ヤシの実が吹っ飛んでる。まさに地獄そのものだ。しかし両親は楽しそうな顔をしている。それならいいか。どうやら両親はハンバーガーを買いに行こうとタクシーを探しているようだ。すると人力車のお兄さんが近づいてくる。
「どちらまで伺いましょうか?マイネームイズ・サトシです。」
人力車のバリバリの外人が声をかけてきた。顔にチラシが張り付いていた。ちなみにサトシは俺だ。ハワイで名前被ってやがる。間違ってもこんなスコールの中で人力車に乗るバカはいない。しかしうちの両親は違った。傘差せば大丈夫だろとか言って乗りこんでいた。
サトシかまーん。バリバリの外人に呼ばれては仕方がない。しかし、スコールの勢いは増している。
両親の片方はバリバリの外人で父親の再婚相手の未だに名前がわからない女だ。英語でハンバーガーを食べに行きたいと言ってるようだ。人力車のサトシはスコールの中人力車を持ち上げた。日本人が大好きということでこの仕事を始めたと語り出した。お前の話などに興味はない早く行けクソやろうと思っていた。
人力車のサトシはシュパッツするときにはこのうたをうたっています。と言って日本人の友達に教えてもらいましたと言った。フーッと呼吸を落ち着かせ「稼ぎどきでござる。」と意味わかんないイントロから始まるうただった。スコールでもこいつにとっては稼ぎどきのようだった。俺たちはハンバーガーショップに着いたときにはすでにびしょびしょだった。あげくのはてにはハンバーガーショップは休みだった。両親はハンバーガーが諦めきれていないようだった。とりあえずホテルに向かうべきだと俺は思ってサトシに伝えようとした。そのとき目の前の建物が爆発した。ハンバーガーどころではない。人々が一斉に逃げ出して行った。人力車のサトシが言った。テロでございまーす。シートベルトしてください。俺たちがシートベルトをつけたとき一台の人力車が目の前をものすごいスピードで走っていった。その人力車のバリバリの外人が「サトシこっちに安全の場所がある。かもーん。」バリバリの外人サトシは、タケシ君。と嬉しそうに言った。
こいつらは親友らしい。すると人力車のサトシの目つきが変わった。「稼ぎどきでござる」こいつにとってはテロも稼ぎどきのようだった。ものすごいスピードで武と肩を並べた。タケシがなんとしてもこのお客様をお守りするぞ。サトシ。と外人サトシに声をかけていた。もちろんだ。君は安全のところを知ってるんだろ?とものすごいスピードで走りながら会話をしているが、タケシの後ろにはお客様は乗っていなかった。
すると俺たちのすぐ近くの建物がまた爆発した。タケシは何やらケツを抑えている、震えた声でお前たちは先に行け。このまままっすぐ行けばハンバーガーショップがある。あそこまで行けば安全だ。と言った。タケシはどうやら動けないようだ。タケシは涙ながらにトイレットペーパープリーズと小さくサトシにお願いしていた。スコールの影響かわからながいが異様な匂いが立ち込めてきていた。サトシが毒ガステロだと言った。タケシはびっくりした顔をしながら早く行けサトシ。ここは危険だと言った。サトシは涙ながら今までの感謝の言葉などなど全力で伝えた。サトシがニュースを見て安全だとわかったら助けに来ると言った。またサトシの目つきが変わった。稼ぎどきでござる。早くしてくれ。タケシはそれを見送りながらお尻が拭きたくて仕方がなかった。
バリバリの外国人サトシの頑張りもあってホテルの近くでかつハンバーガーショップに無事にたどり着くことができた。サトシはお代はいらないと言って危険な目に合わせてしまい申し訳ございませんと言った。そしてニュースを確認してタケシを助けに行きます。と言って行ってしまった。本音を言うとこんなスコールの中わざわざ乗ってやったのだから宣伝料くらいもらいたいくらいだったが。するとタケシらしき人間が猛スピードでこちらにきた。どうやら奇跡のチラシが飛んできて綺麗にふけたらしい。二人は抱き合い再会を喜んでいた。とりあえずハンバーガー食べよう。そう言って両親達とハンバーガーショップに入って行った。すると異様な綺麗さでとんでもないスタイルのおねーさまが迎えてくれた。とても心配してくれていたみたいだ。どうやら本当にテロはあったらしい。当然毒ガステロではなかった。しばらく奥に進むとここがどこだかわかった。どうやらジュエリーショップのようだった。気がつくとハンバーガーが食いたくて仕方がなかったのは俺だけのようだった。