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婚活再始動 アイリス×アルバート

 両親からの手紙でひとまずの安心を得たアイリスは、メアリー様に仕えながら(相変わらず、アルバート様のことを語られるメアリー様の聞き役に任命されることが多かったけれど…)婚活に励む日々を再開していた。

 少しずつ交流をもっていた騎士様や官僚の方々とは、アルバート様が現れてからというもの、波が引いていくように交流が途絶えていってしまった。アルバート様との仲を勘違いされているというよりは…アルバート様か、もしくはメアリー様が何か仰られたのかもしれない。さすがに急過ぎるもの。あからさまに無視されたりはしないけれど、挨拶と一言、二言交わすのが精一杯。もう少しお話ししようとしたら、いつも皆急用が出来てしまう。

 アルバート様やメアリー様に睨まれてまで交流を深めたいという魅力は…私には無いものね…。


 今までは、婚約者が決まっていない方が多いと聞いて、叙勲され男爵位を得た騎士様や官僚の方々をターゲットに絞っていた。まだ、お話し出来ていない方もいらっしゃるかもしれないけれど、大半の方とは少しずつお話ししてきたつもりだ。その方々は全滅…となると。

 貴族の子息であっても、私のように親が恋愛結婚推進派なんていう変わった家庭育ちの方もいるかもしれないし、もしくはご本人が少し変わっていて婚約者が決まっていない場合も…? たとえば傍を通りかかったことしかないけれど、研究所の研究者の方々には変わった方も多いと聞く。何やら爆発音やガラスの割れる音や…いろいろ鳴り響いていたもの…一体何を研究されているのかしら…? 気になるけれど…気にしないようにすれば、もしかしたら良い方に出会えるかもしれない。研究に没頭するあまり、少し周りが見えていないだけなのだろうし。きっと…!


 そういった方々との出会いは無いものかと、少し方向性を変えつつ、アイリスの婚活は再始動していく。

 アルバート様は素敵な方だけど、絶対に他に相応しい方がいる。私は私に相応しい方と結婚して、平凡な幸せを掴む。そう強く決心したアイリスには、まだまだアルバートへの恋の芽は、芽生えていないようである。



 ※



 最近、アイリス嬢の行動範囲が変わってきている。今までは騎士の訓練所や官僚の執務室付近を中心に、時折庭園などでのんびりと過ごす、それがアイリス嬢の休憩時間の過ごし方だったはずだが。

 舞踏会を終え、アイリス嬢のご両親には自分の思いを告げた上で見守ってほしいとお願いし、了承を得ることができた。うちの両親も賛成だったし、お祖母様は1番の味方だ。

 あとはアイリス嬢の気持ちを私に向けてもらうことさえ出来れば、婚約、結婚へとあっという間に突き進む手筈が整っているわけだ。


 アイリス嬢が親しく話していた騎士達には、直接話しに行ったから、私の気持ちを察しているだろう。もちろん彼ら自身がアイリス嬢に思いを寄せているならば、話は変わってくるのだが。両思いであるなら……そんな2人を引き裂くほど私は鬼畜ではない。

 …幼馴染には私の思いが強すぎて重いやら怖いと言われてしまったが…彼は本当に愛する人に出会えてないだけだ。そう、私の思いは…重くも怖くもないはずだ。

 話は戻るが、アイリス嬢と積極的に交流を図ろうとする騎士や官僚達はいなくなっていたし、舞踏会ではアイリス嬢との仲を少しは深めることができたと思っていた。だから、このまま少しずつ攻めていけば、いつかアイリス嬢に私の思いを受け入れてもらうことができるだろうと。


 なのに、だ。アイリス嬢は私との接触は極力避けようとするし、最近では今まで行く機会のなかった場所。例えば研究所などに出向き始めたのだ。研究者は研究に没頭するタイプが多いと聞く。一度没頭すると、しばらく研究所から出てこないとも。研究所に寝泊まりできる場所もあるようだし、研究所の中でずっと過ごしているのだろう。だから、アイリス嬢もなかなか研究者と接触を図れてはいないようだったが、それても諦めずに定期的に通っているのだ。


 …そんなに私には魅力が無いのだろうか。ここまで他の相手を探そうとされると、気持ちがどん底に沈みそうになってしまうが…私は諦めない。絶対にアイリス嬢を振り向かせてみせるのだ!

2/12正午に、次話投稿予定です。よろしくお願いします。

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