表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

舞踏会直前 アイリス×アルバート

 舞踏会当日、準備が整った頃にはアイリスは疲れ果てていた。


 アルバート様にエスコートの申し出を受けるとお答えした瞬間、アルバート様がとびきり嬉しそうな笑顔をされたから…。アルバート様の婚約者の座を狙う令嬢方から睨まれるくらい…1日くらいは我慢できるだろうと思ったのだ。エスコートをお受けするとお答えしてよかったな、とも。


 しかし、アイリスはその翌日から早速後悔し始めていた。まずはアルバート様より、当日のドレスを贈りたいとの申し出があった。もちろん最初はお断りしたのだが、皇太后メアリー様がアルバート様を後押しされて…断りきれず。

 ドレスが贈られることが決まると、早々に皇室御用達の老舗の仕立て屋さんから、デザイナーさんや職人さん達が押し寄せてきた。舞踏会まで時間に余裕が無いとのことで、急ぎ仕立てる為だ。採寸され、何十もの布地を見せられ、ドレスのデザインも何通りも…。『全てお任せ!』と言いたいところだったけど、お任せしてしまうと、どんどん豪奢になりそうな嫌な予感がして…。

 なんとか布地とデザインを決定し終え、ほっと一息ついたのもつかの間。今度は、そのドレスに合う装飾品選びときた。装飾品なんてドレス以上に高価な物を受け取れないとお断りしたのに、メアリー様が『それならば、私の物を使ってもらおうかしら』とか仰り始め…それはそれで畏れおおく…結局、最小限の装飾品だけドレスとともにアルバート様に贈っていただくことになってしまったのだ。

 最小限というのは、実家の伯爵家に代々受け継がれた宝飾品から、ドレスに合う物を選んで使うことにしたからだ。どうしても足りない物は贈っていただくことになったけれど…。

 舞踏会に参加することになったと知らせ、執事に王宮まで届けて貰ったけれど、アルバート様にエスコートされ参加するとは、手紙に書きづらかったし…バタバタしていて執事にも話せなかった。直接、お父様やお母様とお話しできる時間がとれれば良いのだけど…。


 ドレスも宝飾品も出来上がり、万全の準備が整って迎えた舞踏会当日。アイリスは朝からメアリー様付きの精鋭侍女軍団に捕まっていた。全身を磨き上げられ、ドレスを着つけられ、ドレスに合うヘアセットやメイク…さすが精鋭の侍女さん方。あまりに素晴らしく出来上がったドレスに、平々凡々な私では浮いてしまうのではと思っていたけれど、ドレスに着られることなく、自分とは思えないくらいの仕上がりになっていた。精神的疲労はかなりのものだったけれど…。



 ※



「お待たせしました」


「……」


「??? アルバート様?」


「………とてもよく似合っています。こんな素敵な女性をエスコート出来るとは、騎士の誉れです。さあ、会場へ向かいましょう」


「…よろしくお願いします」



 時間となりアイリスを迎えにきたものの、いつもとは雰囲気の変わったアイリスの姿に、アルバートは見惚れ固まってしまった。アイリスに呼びかけられ、ようやくアイリスへと手を差し出した始末だ。もっとスマートにエスコートしたいのだが…。

 アイリスの手を取りながら…こんな素敵な姿を他の男に見せたくはないが、見せつけたいとも思ってしまう。それ程に、今日のアイリスはいつもの素朴な可愛らしさとはまた別の、大人びた魅力を放っていた。アルバートの言葉に赤面し、たどたどしくエスコートを受ける姿はいつも通り可愛らしくもあったが。



 これから、アイリス嬢を舞踏会会場へとエスコートして行く。きっと会場では、アルバートが初めて親族以外の女性をエスコートしてきたことで、驚きに溢れるだろう。国内の大半の貴族が参加する今夜は、またとない良いチャンスだ。この舞踏会で、自分の想い人はアイリス嬢であることを知らしめることにしよう。

もう少し、おまけ話や舞踏会後の話など書きたいのですが、まだまだ未定ですので、完結済みのままとさせていただきます。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ