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華姫と三人の騎士  作者: 琉俘
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入学式

目覚ましの音で起きる。

ゆっくりと体を起こした私は時計を見る。ただいまの時刻5時半。


一階に下りた私は、リビングの電気をつける。

誰もいない部屋。


この状態になれるのには、随分と時間がかかったな。


半年前に両親を事故で亡くして以来、一人ぼっちだ。

ただし、家の中だけだが。


朝食を作り、朝のニュースを見ながら食べる。


「あっ。」


ふとカレンダーを見て気づく。


「今日入学式じゃん。」


今日から高校生だなんて、全然実感がないな。



ぶかぶかの真新しい制服に着替える。

動きにくそうだ。


お弁当をカバンに入れて、もう一度忘れ物の確認をする。

よし、大丈夫かな。


ピンポーン。


ちょうどいいタイミングでチャイムが鳴った。

きっとあいつだろう。


鏡の前でもう一度身支度を整える。


「はーい。」


ドアの前に立っていたのは、幼馴染で隣の家に住む磯村 遥。


「おはよ、遥。」


「おはよう、かりん。昨日は眠れた?」


「そりゃあもうぐっすりと。」


「あはは、かりんらしいね。」


しばし沈黙。

どうしよう、会話が続かない。


「そろそろいこっか。」


「そだね。」


他愛もない話をしながら学校を目指す。


「かりんは緊張してる?」


「んー、あんまりしてない。遥は?」


「ちょっと緊張してる。」


いつものんびりしてる遥でも、緊張することがあっるんだ。


「いやー、でも高校も遥と同じとこに行けてよかったぁ。」


「クラスも同じになれるといいね。というかなりたい。」


遥とおんなじクラスかぁ。

どんだけ楽しくなるんだろうな。


「心音も一緒がいいな。」


「ここね?」


「うん。黒石 心音。中学校で仲良くなったの。遥はあったことないんだっけ?」


「話したことはないかな。」


なんだかんだ話していると学校が見えてきた。

同じ制服の生徒も増える。


「オープンスクールの時も見たけど、この学校やっぱでかいね。」


「確か県内最大の敷地面積だっけ?迷子になりそう。」


遥意外と方向音痴なのかな。


「おっ、すごい人だかり。」


新入生らしき人たちが、あちこちで群がっている。


この学校は人数が多いからあちこちにクラス発表の紙が貼られるみたいだ。


「あっち行こ。」


比較的人数が少ないところに行き掲示板を見る。


遥は出席番号は前のほうで、私は後のほうだろうとそれぞれ見当をつけて探す。


「六花、六花、六花、六花……。」


「磯村、磯村、磯村、磯村……。」


「「あった。」」


見つけた。出席番号27番、六花かりん。


遥も見つけたみたいだ。


「あった?」


「あったよ。」


「何組だった?」


「四組。」


「お、俺も……。」


俺もってことは遥も四組なわけで、私も四組だから……。


「「やったあああああああああああっ。」」


手を取り合って喜ぶ。どうしよう、すごくうれしい。


「遥、出席番号は?」


「俺?4番。」


「やっぱ離れてるね。私は27番だよ。」


隣同士になりたかったな。


「そういえば黒石心音さん、三組だったよ。」


そんなぁ。でもクラスは近いから良しとしよう。


「そろそろ体育館行く?」


「そうしよっかね。」


案内によれば、入学式が行われるのは体育館だ。


遥との学校生活。これからどうなっていくんだろうか。


私は期待に胸を膨らませた。

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