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 季節は流れ、夏となりました。


 さーて、今日も天使ちゃんの給仕を受けにいきますかねっ!

 と、私はルンルン気分で宿の食堂に向かいます。


 いつの間にかダンジョンの近くにトンネルが開通し、パヴェーラまでの距離が非常に近いものとなりました。前はツィーア山を越えるには命がけ、ツィーア山を回避するには数週間かかるような道のりでしたが、今や頑張れば1日で通過できてしまう、そんな距離になりました。

 なぜかトンネルは通行料を取られますが。完全に無害なダンジョンらしいですが、不思議なものですよね。


 そうそう、この宿を中継地点として村にする計画もあるんですよ。今、上の方で結構話し合いが進んでいて、大工の技能を持った冒険者を探しているとかなんとか。


 ま、そんなこんなで私の仕事も増えていますが、何の問題もありません。

 そう、天使ちゃんの顔を見れば疲れなんて吹っ飛んじゃいますからね!


 と、思ってたらなんか今日は天使ちゃん居ないそうです。訴訟も辞さない。

 代わりに天使ちゃんの主人を名乗る外道が給仕をしていました。


「なんで貴方が給仕してるのですか? 非常に不快です」

「ニクが過労で倒れたので……仕方ないと思って我慢してください」


 なんという外道でしょうか! 天使ちゃんを倒れるまで働かせるだなんて!

 ここのところトンネルを通る行商人とかが増えて、その分客も増えていたのにこき使い過ぎです! 許されざるよ!


 天使ちゃんは冒険者としても自主トレを欠かさずに、毎日冒険者相手に模擬戦をしてるほどの頑張り屋なのに……それを倒れるまで働かせるだなんて!


 ……あら? もしかして倒れたのって自主トレのし過ぎかしら?

 だとしても倒れるまで働かせた事実には変わりないわね、勝訴!


 ちなみに翌日には天使ちゃんは復帰していました。

 倒れたんならもっとしっかり休ませるのが普通でしょうに、たった1日しか休ませないだなんて……やはりあいつは外道に違いないですね。



  *


 一方、宿屋のオーナー様は大変聡明でいらっしゃる。

 なんと、あらたに3人を雇用した模様。しかも住み込みです。


 宿に併設された住居は、気が付いたら増築していました。何を言っているのか分からないかもしれませんが、きっと超スピードで建築したのでしょう……ううむ、凄腕の大工に違いありません。その大工さえいればこの場所もあっという間に村にできるのではないでしょうか?


 どうにかして紹介してもらいたいところではありますが、資金との兼ね合いもありますから難しい所ですね。

 まぁ予定通り大工の冒険者を探しましょう。目標としては冬までに。


「おーいシリアちゃん、すげえもん見つけたぞ」

「あら? ゴゾーさん。どうなさいました?」


 と、ゴゾーさん……ウゾームゾー兄弟の師匠がギルド出張所に顔を出しました。

 ドワーフでお酒好きの、ベテランといっていいCランク冒険者です。


「アイアンゴーレムだ」

「……はい?」

「アイアンゴーレムが出るぞ、このダンジョン。迷路で見かけた、ありゃ間違いねぇ」


 聞き間違いではなかったようです。

 アイアンゴーレム。それは全身が鉄でできたゴーレムです。

 全身が鉄というのは、それはつまり体の全てが鉄インゴットのようなもの。資源の塊です。


「……現物はありますか?」

「いや、今日は武器が悪かったからな。さすがにアイアンゴーレムにナイフで挑むのは厳しいだろ」

「ああ、まぁそうですね」


 アイアンゴーレムを倒すには、ハンマー系の武器が良い。

 これがクレイゴーレムなんかでは魔石が一番儲かる部位だからそれを壊すようなハンマーはあまり良くない。だけどアイアンゴーレムはその体が全て資源で、体が一番儲かります。なのでさっさと魔石を砕き回収するためにハンマー系の武器が向いているというわけですね。


「今日はクレイゴーレムとストーンゴーレムを相手にする予定だったからな。まさかアイアンゴーレムが出るとは……」

「驚きですね。現物、できるだけ早く入手できますか?」

「善処しよう。で、アイアンゴーレムが出るってことはここは鉱山になるってことか?」

「そうでしょうね。そのためにも早めに頼みますよ」

「任せとけ。ハンマーこそ俺の元々の装備だからな」


 鉱山。これには2種類あります。

 ひとつは普通に穴を掘って埋もれた鉱石を掘る鉱山。

 もうひとつはダンジョンで定期的に有用な資源のモンスターが湧く場合。これはダンジョン型鉱山といいまして。この定義でいえば、ここはダンジョン型鉱山になるということです。


 尚、鉱山はどちらだとしても莫大な金が動きます。うわぁい。大変なことになっちゃったぞー?


「……これは、予定を早めた方がよさそうですね。事情を話せば勝手に早めてくれそうですが」

「まぁ細けぇ事は分からねぇからよ。シリアちゃん頑張ってくれよな」

「はい。現物がとれれば早く話が付くと思うので、ゴゾーさんも頑張ってくださいね」


 ゴゾーさんを見送り、私はおじいちゃんへの報告書を作成する仕事に取り掛かることにしました。あとはおじいちゃんの采配に任せてしまいましょう。うん。



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[一言] 更新してくんろ...本編&リアルで忙しいのは知ってるけど...
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