第八話 総当たり戦
今回は短いです。
男女別に分かれて12人と8人の総当たり戦が行われた。ルールは相手を傷つけないで、頭の上にある紙風船を5分以内に割る。というものだった。剣武場に置いてある武器なら何を使用してもOKだったので、木槍や長い棒を使う者が多かった。ちなみに5分間どちらも紙風船を割れずに終わると、引き分けでは無くて両者敗北となり-1点となる。勝てば+2点。両方ほぼ同時に割れた場合は引き分けで+1点という感じだ。ゲーム感覚で模擬戦は進んだ。長々と11人との戦いを実況解説するのは面倒なので、結果だけ言います。一位でした。やったね!武器を使うと見せかけて使わずに、風魔法で木剣を飛ばしたり、空気の塊を当てたりして、紙風船を割りました。二人目からはバレバレだったけど、魔法が使えると分かってから、毎日のように魔法を使って色々とやっていた成果が現れ何とかなりましたな。ただ、マリー教官の視線が熱くて怖いです。これそのうち、マリー教官と模擬戦あるな・・・
それから、小隊が決まりお互いに改めて自己紹介をする。二位だったロビン・エンゼルはドワーフで女の子に見えるけど男の子でした。ドワーフならではのパワータイプで、柄の長いハンマーを振り回して風圧で紙風船を割るという荒業でした。まあ、私の風魔法の前では無駄でしたけどね。直接ハンマーで来られると危なかったかもしれないが、ハンマーなので素早い動きは出来ないようだった。というか、ほとんど動いていなかったと思う。それなのに二位である。どんだけの風圧だったかお察しください。そして、十一位だったマイケル・マーリンは人間のぽっちゃり眼鏡君だ。前世の私と似ているのですごく親近感があった。向こうも何かを感じたのか、目があった時に固い握手をした。初めての友達が出来たかもしれない。彼も魔法を使っていたが、この国の魔法は超近距離戦闘向きと言われているように射程は短い。風魔法はある程度の距離を飛ばせるが、他の属性は手が触れるほどの距離じゃないと十分な威力はない。彼の場合、水魔法を使っていたが威力が足りず紙風船が濡れるけれど割れないということが多かった。おそらく風魔法と組み合わせると水の塊を飛ばして紙風船を割るということが出来るのであろうが、技術がまだ足りてないのかなぁ。これから教えられるところは教えてあげよう。そして、最後は十二位のジャック・スパイラル。エルフの細マッチョナルシスト。以上!
え?ジャックだけ説明が短い?いやねぇ。特に説明する部分がないよね。だって、模擬戦では相手に自分の筋肉を見せるということに夢中になり、一切攻撃をしていなかった。もちろんマリー教官に激怒されるも、筋肉と私というタイトルで語り始めてマリー教官を圧倒し、最終的には諦めさせるというヤバいやつである。こいつ。教育しないとな・・・
そしてそして、小隊が決まったところで実技訓練が終了して、おのおの寮の部屋に荷物を持って移動することとなった。
新キャラの説明が三人もあったので、短いけれど一旦区切ろうかという言い訳。