第四話 光陰矢のごとし
読んで字のごとし
国立幼年学校を卒業しました。え?知ってた?パターン化してる?しょうがないじゃない。だって、算数とか国語とかのレベル。前世とそんなに変わらないし、一年生の時の自己紹介の時に祖母に言われた通りに「祖母の上司は皇后様です。」と言ったら、貴族の子息たちは私のことを虐めるどころか、必要最低限の会話しかしてくれないんだもの。
何で祖母の上司が皇后様なのか、祖母に問いただしたら、「若い頃に一人の男を巡って争った戦友です。」とわけのわからない事を言っていた。しかも、その男は皇帝陛下じゃなくて城の警備兵だった祖父だそうな。ちなみに祖父は母が生まれたその日に出産祝いだと言ってしこたま飲んだうえに城壁の上からションベンをしているときにあやまって転落死したそうだ。さすがに祖母もそれにはブチ切れて、葬式の席でありえないから!と怒ったらしい。
そうそう、この国ではお墓はないようだ。死者はすべて女神のもとへ帰るとされていて、死者に祈る時は教会で祈るそうだ。毎週末に教会でお祈りしていたのって、亡くなった父ユリウスやその祖父母と母方の祖父の為にも祈っていたのね。そして、父ユリウスが亡くなった戦いについて歴史の授業でならったのだが、どうやら北の山脈向こうの連邦国と小規模なうえ、短期的にやりあっているらしい。
地理については図書館の本で知ったのだが、この世界は地球という丸い惑星という認識があるらしい。ああ、前世での地球とはたぶん違うと思う。こっちの言葉で丸い大地って意味がたまたま地球って単語と訳せるだけだと思う。思うというのは、この国の歴史では人類が誕生して1000年くらいしか経ってないとされているからだ。まあ、歴史の話をするとそれこそ1000年分振り返らないといけなくなるので、省くけど。なんやかんやあって、いくつかの国がひとつになり今の統一帝国があるのと同じように大陸中央にある山脈で北と南に分かれた状態で北に連邦国、南に統一帝国って感じなのが現状のようだ。
今のところ地図ではこの惑星には大きな大陸がひとつドンと真ん中に存在していて、大陸の北と南が雪国で中央に前世で言うエベレスト級の山脈があり、それ以外は森と平原と大きな川や小さな川が広がっている感じだ。前世の地球のパンゲア大陸みたいな状態なのかねぇ。それとも、よそに大陸があるけどまだ発見されてないから記されてないだけなのか、その辺は調べてみても良く分からなかったし、どうせこの帝国を出ることもないと思うので、どうでも良い事だ。決して調べるのが面倒になったというわけではない。必要ないだけだ。前世の時だって、すべてを知っているわけじゃなかったし、知ろうと思ったこともなかったからなぁ。もったいないのかね?
帝都はオルウェンといい、東西南北に中規模都市があって、南は通ったけど一応全部まとめて説明すると、北都【森の都ウッドランド】、東都【工業の都ガジェットリア】、西都【商業の都モーリカ・マッカ】、南都【水の都アーウィン】と言う感じで他にもそれぞれの都市の間に小規模都市があるらしいが面倒なので行くことがあったら紹介すると思う。気になったのは西都のモーカリマッカ・・・じゃないな。モーリカ・マッカなのだが、どうやら大きな川を挟んだふたつの都市がひとつになったものらしい。間に中州があってそこに西の都の城が作られて、大きな橋でつながっているらしい。なんか、写真とか挿絵とかがないから詳しくは分からんが凄そうだ。一度は見に行ってみたいな。
平原の民とか森の民の話を前にしたけど、あれって平原の民がいわゆる人間で、森の民がエルフ。山の民がドワーフらしい。貴族の子息たちにもエルフやドワーフがいたのだが、前世でのイメージで言う耳のとがったエルフはいなかったので気が付かなかった。ドワーフのほうも小さくて髭もじゃのイメージだったのだが、髭もじゃなのは一部のやつだけでほとんどは童顔の少年って感じだった。鍛冶屋にドワーフの成人男女がいたのだが、40歳超えてるって言っていたがどうみても十代だった。ロリコンとショタコンだったら、よだれと鼻血を垂らして喜んでるんだろうな・・・
平均寿命は人間と同じくらいで80歳くらいなのだが、年寄りになっても白髪になるくらいしか変化がないらしい。
エルフのほうは美男美女ばかりで長命ってところまでは前世の知識通りのようだが、千年とか万年とかは生きないらしい。男女ともに平均寿命200歳くらいで、150歳超えてからじゃないと老けないらしい。つまり、150歳くらいまで20歳の姿のままだ。愛人率ナンバーワンの種族と言うのもうなずける。ちなみに胸の大きさについては種族間に偏りはない。個人差である。ちんの大きさについてはドワーフがやばいって誰かが言っていた。人間とエルフの男とドワーフの女の夫婦はあるが、ドワーフの男と別種族は確認されてないというから本当にヤバいのかも知れない。ああ、下ネタが嫌いな人はごめんなさい。中身はおっさんなもので。
学校生活においての他に珍しかったところは、剣術とか弓術、馬術なんかの軍事系の授業が体育みたいな感じであったのと、魔法の授業が生活魔法までしか教えてもらえないってことかなぁ。先生に、戦闘系の魔法は教えないんですか?って、質問したら。何言ってんのこいつ?という顔をされて「そんな魔法は無いです」って言われたのにはちょっとショックだった。戦争に魔法は使わないのだろうか?まあ、前世の記憶での魔法は遠距離攻撃だったけど、この世界の魔法は超近距離攻撃ということを後で図書館の本で知ったのだが。
恋愛関係については、子供とお付き合いしたいと思うロリコンではなかったということでお察しください。決して、前世での恋愛経験がないので女子との距離感がわからないまま卒業を迎えたわけではありません。なぜか同級生にお父さん扱いされて、時々パパって間違えて呼ばれることが多かったとか、グループデートの時にひとりだけ保護者的な位置にいて皆を眺めていたとか、振り返ると恋愛って難しいなって思うことばかりでした。えぇ・・・
で、卒業してのその後の進路なのだが、国立幼年学校に通えるようになったのは祖母の上司の口添えという話はしたと思うが、その上司が皇后様で祖母と皇后様との間の約束で、卒業後は国立士官学校に入り、親衛隊入りを目指してもらうということになっているというのを卒業式の日の夜に教えてもらって、国立士官学校の入校案内を渡された。
親衛隊って、皇帝陛下直属のエリート集団で実力主義の帝国軍の中でも異質な部隊として有名じゃないですか。やだぁ。剣術と弓術の授業が面白くて単位Aとか取るんじゃなかったなぁ・・・
何はともあれ、来週から国立士官学校に通うことが決まりました。強制的に・・・
説明回はもうちょっと続いていたのじゃよ。
ワードに書いてからコピペしてるんですけど、最初の一文字スペースが反映されない謎。ワードの自動機能がやらかしているのだろうか?