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いせてん!  作者: 遊路
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第一話 異世界転生

短編をあげて結構間が空きましたが、現状が厳しいので現実逃避をしてバランスを計ろうと思います。。。感想やご意見は承りますが、誹謗中傷は無視していきます。

2話分くらいを1話にまとめての投稿ですので、ちょっと長いかも知れませんがご了承ください。なお、投稿のペースは1日1話書けたらいいな(希望)って感じです。

 気が付くと、真っ暗場所にいた。いや、いるという表現が正しいかどうかわからないくらい感覚がない。ここはどこだろう?辺りを見回してみるが、見回しているかどうかもわからないくらいの暗闇だ。いったい私はどうなったのだろう?

 耳を澄ましても何も聞こえず。体をバタバタさせてみても、動いているかどうかの感覚すらない。そして、なぜこんな場所にいるかも検討がつかないと来れば、とりあえず寝るしかないだろう。二度寝だ。二度寝。


 どれくらい寝ただろうか、目を覚ますも相変わらず真っ暗だ。朝なのか夜なのかもわからないし、夏のはずなのだが全然暑くもない。普段なら、エアコンのタイマーが切れて朝になると蒸し暑さで目が覚めるのだが。さすがに眠気も無いので、何かできることはないのかジタバタしてみる。


 疲れるという感覚もなぜかないまま、結局何もわからない。体がある場所を触ろうとするも、そこに体は無いのか、それとも手が動いていないのか、手の感覚がないのか、何も感じられない。ここまで何も感じない状態だと、時間の感覚すらなくなる。いったいここに来て(?)どれくらい経つのだろうか。もしも、このままの状態が続いたら、私はいつ気が狂ってしまうのだろう。そういえば、お腹もすかないな。困ったな。どうしよう?


 結果として、寝るしかないと思い。ひたすら起きては何もしないで眠くなったら眠るということを繰り返していた。もしも、眠くなることがなければ、とっくに発狂しているだろう。そして、どれくらい時間が過ぎただろう。ふと思った。私は死んだのかな?と。そういえば、声を出してない事に気が付いて叫んでみた。


「おーい!誰かいませんかー?」


 そう叫んだつもりなのだが、叫んだはずの声は聞こえない。声を出したという感覚すらない。やっぱり死んだのかな?え?まさかこのままずっととかじゃないよね?それなんて地獄?無限回廊地獄って地獄あっただろうか?というか、何で地獄?私はそれほど悪いことをした覚えがないのだが。ああ、何もしなかったことが罪ならば罰を受けて当然かもしれないな。なんせ、34歳にもなって無職で実家暮らしだし。って、もうだったになるのかな?夢なら良いのだが、こんなに無駄に長く感じる夢は見たことが無いので、たぶん夢じゃないと思う。でも、夢だったら早く覚めてくれ!!


 どれくらい時間が経っただろう。これは本格的に地獄に落ちたのではないだろうかと色々と悩み始める。後悔もしてみた。だが、暗闇で何の感覚も無いという状態は変わることが無かった。終わり・・・






 って、このまま終われるか!!つか、ここどこだよ!せめて地獄なら地獄ですって誰か説明して!!お願い!状況もわからないうえに放置とか、私ドMじゃないですよ!!もういっそ消滅させて!!






 うん何も起きないね。あーもう!どうしよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!とか、思っていると久々に何かを感じた。


 音だ。どこからか音が聞こえる!感覚を音の聞こえる方向に集中してみる。すると、少しずつだがその音が近づいてきているように感じた。やった!久しぶり過ぎる感覚に感動!イヤイヤ、そんなことよりも何が聞こえてきたのだろう?


「・・・すけて」


 え?透けて?


「・・・まどうか助けて・・・」


 魔導か?助けて?


「神様どうか助けてください!もうこの子がダメなら諦めろと医者に言われたんです!!」


 えっと、私はたぶん神様じゃないのでそんなことをいきなり男の人にお願いされても困るんですよねぇ。う~ん。声の感じからするに十代かな?二十代かな?なんか若いよな。


「お願いします。もうふたりも流産して、あいつの体もそんなに強くないし・・・」


 なんか途中から、涙ながらに訴えている。いやねぇ。私が神様なら助けてあげたいけどねぇ。でも、違うからなぁ。というか、何でこんな声が聞こえてきたんだろう?相変らず真っ暗なのは変わりが・・・って、あれ?なんか光が見えるな。うわ!!まぶしっ!!え?何?なんか体が引っ張られるような感覚が!ああ、久しぶりの感触って感動してる場合じゃないし!え?何?どこに引っ張られてるの?え?光?あの光の中?え?どうなるの?私どうなっちゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!


「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 なんか、誰かから生まれちゃいました。赤ん坊の状態で。






 そして、3歳の誕生日のことである。え?0歳からの話はどうした?いやね。ちょっと前まで私、34歳だったんですよ?それが、何の因果か赤ん坊からやり直してさ、産まれたとはいえ見ず知らずの女性から授乳されるんですよ?まだ、小さくて当たり前かもしれないけどそれでも自分の何を見られた上にいじられるんですよ?おむつを替えられて、尻とかちんとかを洗浄されるんですよ?なんなのこれ?私は赤ちゃんプレイとか趣味じゃないですから!!屈辱以外の何ものでもないですから!!一応最初は抵抗しましたよ?授乳とか無理ですって!でもね、何かの病気じゃないかって、一応今回の人生における母親に涙目でうろたえられて、父親と思われる青年に涙ながらに訴えているんですよ?正直、二人が何を言っているのかさっぱりですよ。日本語じゃないみたいだし!英語はできないけど、それでも英語らしき感じでもないし!


 ええ。わずか半日で授乳を受け入れましたよ。このまま拒否していたら、お医者さんを呼ばれそうな気配を感じたんだもの。さすがにそこまで大事になったら気まずいじゃないですか。


 まさか、女性の乳首を吸うことになるとはね・・・

 最初の授乳が終わった後、速攻ゲップしてやりましたよ。もうね、開き直るしかないですよ。でも、産まれて3ヶ月で離乳食に変えさせて、ハイハイで外に出て排泄をマスターしましたけどね。両親が若干ビビっていた。はやくね?これはやくね?って。あ、2ヶ月くらいでなんとなく聞くことはできるようになりました。まださすがにしゃべれませんけどね。


 離乳食に変えさせてっていうのは、ハイハイしてパンをゲットして千切って食べているのを見せつけました。歯が無いので、唾液を全部持って行きながら流し込んでいましたけどね。


 ハイハイについては、筋トレしまくったとしか言いようがない。最初は首すら動かせなかったのには焦ったね。これからいったいどれくらい天井の染みを数えればいいのかと。赤ちゃんって色々大変だったんだねぇ。前世でも苦労したんだろうが、さすがに覚えていない。


 あ。そうそう。前世って言いましたが、どうやら私生まれ変わったのよね。記憶を持った状態で。まあ、赤ん坊の状態で生まれたって言ったから、それ以外に考えられないけどさ。最初は長い夢だなと思ったよ。でもね、何度も授乳&おむつ替えを経験すればね。さすがに夢じゃないだろってなるよね。


 それにしても、どの辺なのかねぇ。さすがにハイハイをマスターしただけではここがどこなのかもわからない。家から出ても正直、周りの景色とか全然見えないからね。裏が森になっているのが確認できたくらいだ。トイレはちょうど裏庭におむつの大を捨てる穴が掘られていたので、そこでしていたら父親に目撃されて驚かれました。まあね、まだ赤ん坊なのに自分でトイレ出来るようになっているとか、私でもびっくりするな。ただね。新しい父よ。私は天才じゃないぞー!母に天才だってテンションあげて抱きつくなー。違うからなー。いや待てよ。もしかして、前世で天才って言われていた人達って、もしかして前世での記憶を持っている人達だったのかな?まあ、神様出なかったからな。生まれたばかりの時、天井しか見られない時に何度も心の中で神様に説明要求をしたが、現れることは無かった。小説のように説明してくれる神様が現れるわけないよなぁ。確か小説だと、生まれ変わる前にそういうやり取りあるみたいだし。私の時はひたすら終わる様子のない闇だったからねぇ。発狂手前でしたよ。


 そうそう。闇の中で聞いた声なんだけど、言葉がある程度分かるようになってから気が付いたんだけど。あれ、新しい父親だったね。どうも、私が生まれる前に二度。母親は流産したらしい。初産とか初めての妊娠の時って、流産しやすいとは言うけど、二度目の時に母親の容体もやばかったらしい。なので、私が妊娠した時はこれでだめなら諦めたほうが母親の体的にも良いって医者に言われていたらしい。私の誕生日のたびに父親が母親に話しているのをもう言葉が分かっているのでうんざりしながら聞いていた。全く同じ話を三回してるからね。この話絶対私がしゃべれるようになっても続くと思うんだ。


 ああ、ちなみに父親の名前はユリウスで母親はローザで私はふたりの名前の頭文字をとってユーロとなったらしい。なんだろう、前世での記憶はあるんだが、なぜか名前を思い出せない私にはしっくりときた。他にも前の両親の顔や友人たちの顔も思い出せない。ただ、知識的なものは全部覚えている。といっても、34歳までに社会経験が合計しても6年に満たない私の知識なんてたかが知れているが。


 これはあれだね。小さい頃は神童って言われて育つけど、小・中学校に入った辺りくらいから周りと同化しちゃう感じだろうね。前世の記憶がどこまでこの世界に通用するのか、本当に分からないので、なるべくはやくこの世界について学んでどう生きて行くかの目標を立てなければ。前世の時みたいに人生迷子で無職のまま死亡とか。勿体ない人生を送ることは避けなければならない。


 そうそう、現在3歳なのだが、どうやら弟か妹が出来たらしい。ユリウスがハイテンションで私に話しかけていたから間違いない。そりゃあ、私が生まれたことが奇跡だったみたいだからねぇ。でもね、ユリウスさん。出稼ぎで兵役はないわぁ。それ、「俺。この戦いが終わった頃に子供が生まれるんだ。だから、絶対に生きて帰るんだ。」って死亡フラグだよね?3歳なのでさすがにある程度しゃべれるようになった私は言ってやったよ。


「お父さん。お母さんがこれから大変な時に兵隊とか、ありえないから!」って。


 でもね。ユリウスさんバカなのか。


「ユーロ!天才のお前が居ればきっとなんとかなる。お母さんのことは任せたぞ!」


 いやいや。1歳半でハイハイ卒業したけどさ、それでも私まだ3歳だよ?さすがに何もできないわ。せいぜい、産気づいたら医者を呼びに行くくらいしかできないわ。その後の産後のケアとか無理だからね?って、言おうとした頃にはもういないし。なんか、隣の部屋で母親に「ローザ。子供たちの為にも稼いでくる。」とか言ってるし。


 兵隊とか。身入りはいいかも知れないけど、戦死確率高くね?つか、この世界の文化レベルがさっぱりだし、前世でも戦争経験とかないからわからないけどさ。でも、危険を冒すよりは地道に働いたほうが良いと思うんだよね。


 そうそう。止める間もなく父親が出て行ったけど、それはもうしょうがないとして。この世界。たぶん地球じゃないみたい。というのも、魔法があるのよね。ハイハイを卒業して家の中を自由に探索なってから気が付いたのだが、竈に火をつけたり、水瓶に水を溜める時にローザさんが何かをつぶやいて火を出したり、水を出したりしているのを目撃した時はテンション上がったね。


 なんて言っているのかちゃんと聞いてみると。どうも、炎よ!とか水よ!って、叫べば出るようなので、裏庭で水よ!って、叫んでみたら。出る出る水が。その後、隠れて魔法を試してみたが、どうやら魔法が使える量はそんなにないらしく、炎が連続で10回程度、水だと15回程度しか出せなかったし、出し切ったら虚脱感が襲い。一時間くらい休まないといけなくなるみたいだった。ちなみに時計は無いので太陽の傾きでなんとなくこれくらいだろうとしか言えない。そして、毎日限界値と思われるところまで魔法を使っても、使用回数が増えることは無かった。なんだろう。魔法と言っても万能じゃない感じなのかね。変に現実味あるね。いやまあ、この世界における魔法って現実そのものなのだろうが。期待し過ぎだったのかな。


 そして、父ユリウスが兵役に出て、1ヶ月ほどしたころ、母ローザのもとに戦死報告が届けられて、そのショックで流産した。危うく母親の命も逝くところだったが、全力で回復魔法をかけたら何とか母の命だけは助ける事が出来た。弟か妹・・・欲しかったのにな。前世では末っ子だったし。たしか。


 そんなこんなで、フラグを回収してしまった父ユリウスが戦死した3歳から私の人生は大きく動き始めた。




誤字・脱字があれば教えてください。なお、誹謗中傷は受け付けていませんが、感想や励ましの言葉は受け付けてますよ?脱字があったので訂正しました。

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