青天の霹靂
「はぁっ⁈」
夏の終わりの青天の霹靂。ママとパパが爆弾発言。
「大人の事情で、ママとパパは離婚することになりました。」
「え、ちょっとだって昨日も仲良くご飯フツーに食べてた仲じゃん。」
「はるかちゃん、そこら辺に大人の事情があるのよ。」
「何々⁉︎浮気、どっちかの浮気がバレたの?」
「ママ、はるかも14歳だからハッキリ言っとこう。はるか、スマン!パパ好きな人ができたんだ。」
「はぁ〜⁉︎」
「はるかちゃん、ママも悪いのよ仕事仕事でパパもはるかも二の次だったことあるし。」
そりゃそうだ、ママは運動会や発表会はほぼ欠席か遅刻だった。
「あたし、どうなるの?」
「ママと暮らしましょう。この家はパパが残してくれるって。」
「パパはどうするの?その好きな人と再婚するの?」
「いや、それはまだなんとも。」
「・・・あたし、成人するまでにパパもママも再婚なんてしたらグレるからね。」
「「・・・・・」」
「養育費もちゃんとしてくれるの?あたし嫌だよ、この事で後々進路に差し障りが出たりしたら。」
「それはちゃんとママと話し合っているから大丈夫だ。」
「あそ、じゃあ後は大人が処理してよ。この家があるってことは転校はなしだよね、あれ?名前はどうなるの、変わるの?」
「はるかちゃんはどうしたい?」
「ん〜、別にどっちでもいいや。じゃ、あたし部活行ってくるから。」
玄関で靴をトントンとならし足に馴染ませる。門を開けガレージから自転車を取り出すと鞄をカゴに入れ走り出す。馬っ鹿みたい、な〜にが大人の事情だの、私も悪いのだっつーの。ふざけんな、一番迷惑するのは私なんだからもっと真摯に話を持ち掛けろってゆーのよ。馬鹿みたい、ホント馬鹿みたい。
「あ〜あ、二学期から名前も変わるのか・・・よし、今日は皆誘ってカラオケだ〜っ‼︎」
見上げれば青い空にソフトクリームみたいな入道雲、グレないだけでも感謝しろよ両親め。と、心の中で叫びながら学校へ向けて自転車を漕いで行った。