世界14
彩伽が冷静になってから、部屋に起こる異常が減った。
つまり、彩伽の焦りや不安が、この部屋に異常を起こしていたのか。
アルテルは、そう確信した。
世界の謎が解明されそうになろうとも、
創造主は、この部屋には手出ししないのかも知れない。
これは、推測の域を出ないが、かなり可能性が高いように思えた。
そもそも、この部屋に手出しすることが出来なおう可能性すら考えられる。
しかし、前者ならば、創造主が彩伽をむしろ待っているとも考えられるが、
後者ならば創造主の考えが見えない。
創造主を探し続ける彩伽には何も危害を加えていないのだから、
拒んでいる様子はないと捉えるのが妥当と感じた。
もし、それが間違いなければ、彩伽は必ず創造主の元へ辿り着くだろう。
そして、何を知るのだろうか。
この世界がどんなものなのか、何故、彩伽はここに来たのか。
それを知った時、彩伽が何を感じ、これからどうするのだろう。
それは、この世界の全てをも変えてしまうことに繋がるのだろうか。
もはや、これはただの探検ではない。
変革の前兆なのではないか。
アルテルは彩伽の本体を見つめた。
その後、手を取り祈るようなしぐさをして彩伽の手を元に戻した。
どんなことがあっても、彩伽が傷つきませんように。
無事でありますように。




