表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅立ち  作者: 白銀みゆ
66/119

彩伽14

彩伽は、まだ眠っている。

目が覚めるのか、不安になるほど、時は過ぎていた。

最も、この世界において正確な時間を確かめる術はなく、

早く目覚めないかと思うあまり、長く感じているだけなのかもしれない。


ゆっくりと再誕生した48体の分身は、アルテルが決めた担当の世界を守っている。

分身体は彩伽から産まれる光の粒子を集めてできたものだから、

彩伽から供給がストップすれば消えてしまう。

しかし、1体も消えていない。


彩伽は、眠っていても、48体の分身を維持するだけの光の粒子を消費し続けている。

裏を返せば、それ故に目覚めないのかもしれない。

自分が生み出した世界を守る為、今最善の策をとっている。

そういう事なのだろう。


彩伽が目覚めなくとも、この世界は保たれる。

この48体の分身さえ存在していれば。


だが、この空虚な感覚は、彩伽が目覚めない限り消えない。


アルテルは、外の様子を見に出た。

彩伽が、新しい部屋の集合体を3つ形成して以降、時折確認しに行っていた。


中心にある大きな部屋の集合体の周りに3つの小さな部屋の集合体。

中心のものが50階建てのマンションだとすれば、3つは10階建てくらいだ。

既に創造者の一部がそこに移ったようで、きちんと同等に機能しているようだった。


確認を終え、アルテルは部屋に戻る。


「おかえりなさい、アルテル。」


身に纏っている服がこれまでのドレスではなく、

ラフな白いワンピースだったが、元の彩伽だった。


「彩伽…おはようございます。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ