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彩伽6
昇った先にも階段があった。
この先にも続いているかもしれない。
階毎に壁の色を変えていくことにした。
10色も使うとは思わなかったが、更に先に続いている。
仕方がないので、1色目をもう一度使用することにした。
「一体どこまで続いているの…」
アルテルも戸惑いながら階段昇り続けているが、ふと周りを見回したと思うと、
彩伽の手を取り、外へ飛び出した。
外側から様子を見ると、一番上から一番下まですべてが彩伽の場所になっていることが確認できた。
実に50階であった。
「なに…これ…」
アルテルもさすがに驚いていた。
「こんなことは、初めてです。」
そして、アルテルは続けてこう告げた。
「ここへ来る前に何があったかを覚えています。
彩伽はそれを覚えていなかった。
それ時代が異例なことです。」
アルテルは少し考えると、こう言った。
「もしかしたら、彩伽は記憶を失っていたせいで、
能力の全てを発揮できていなかったのかもしれません。
しかし、これほどに変化するとは…」




