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継続13
彩伽はアルテルの頭を胸元に抱え込んだ。
「いつか、別れが来るとしても…
今は一緒に居られるのだから。
一緒に居られる時間を大切にしましょう。」
アルテルは、生まれて初めて泣いていた。
こんな気持ちがあるなんて、今初めて知った。
「アルテルにだって、この世界について知らないことがあるのかもしれないし、
何が起きるのかわからないじゃない。」
腕を緩め、アルテルを見つめた。
「わからないことを、不安に思ったり、嘆いたりしても仕方がないから、
前を向いて行きましょう。」
彩伽はその言葉を、自分にも言い聞かせていた。




