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継続10
彩伽はアルテルの叫びに手を止めたが、悲しそうな表情のまま、
うつむいている。
「…彩伽?」
創造力を視覚化したような光の粉は、
世界を作ろうが作るまいが、少しずつその身から流れ出ている。
いつかその創造の源が枯渇した時に、
アルテルが何度も経験し、恐れている別れは、否応なしに訪れるのだろう。
「…アルテル。私もあなたと別れるのはつらいわ。
けれど、私たちは世界を創造するための存在なのでしょう?
世界を作らなければ、世界がなくなってしまう。」
他にも世界を作る存在があることを知ったが、世界が巡るその姿を見たら、
創らずにはいられなかった。
時間が限られているのならばなおさら。
自分がどれだけの世界を生み出せるのか。
そして巡り巡った先には何があるのか。
地球からこの場所に来たけれど、そもそもその地球も誰かが創造したものなのか。
「ねえ、アルテル…」
この世界に来た時訊ねたことを、改めて聞くべきだと思った。
「私が自分の世界を、地球を捨てたって、どういう意味なの?」




