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継続9
いつもの部屋に戻ると、彩伽は世界を作ることに集中し、
アルテルに話しかけるスキを与えなかった。
アルテルは、最初こそ、戸惑ったものの、
そのうちに、自分も、同じようにやるべきことに徹しようと考えた。
その沈黙はいつまで続くのかわからず、
実際に、どれほどの時間が経過したのかわからないほど、続いた。
彩伽が世界を作ることに集中する時間が長く、
しかも、ほとんど休みなく続けられることは、
彩伽のこの世界での終わりを早めるのではないか。
アルテルはそんな不安に駆られ、弾かれたように彩伽に駆け寄り、
両肩を掴んだ。
「彩伽!」
叫んだものの、自分のこの感情をどのように伝えてよいのかがわからない。
そんな風に世界を作り続けたら、彩伽がいなくなってしまうかもしれない。
だから、なんなのか。
「…いや、です…」
自分の中に答えが出るよりも先に、言葉になっていた。
「そんな風に、世界を作り続けたら、彩伽が早くいなくなってしまうかもしれない。
そんなのは、嫌です!!」




