継続 5
あれから、私たちはティータイムと称し、
テーブルを囲んで話し合う時間を設けるようにしていた。
私にとっては他愛のない話が、
アルテルにとっては新鮮で興味深いものであるように、逆もまた然り。
何故もっと早く気付かなかったのか、と、お互いに反省し、
それは自ずと習慣になった。
一つの宇宙に、いくつかの星雲があり、
その中に太陽系と言う惑星の集合体があって、
地球と言う惑星にいたこと。
そして、その惑星上の大陸は国が分かれており、
さらにその国の中にも地方があって、
東京都の多摩という地域に住んでいたこと。
地球上の全てすら把握出来ないちっぽけな存在だった自分が、
何を感じ、どんな風に暮らしていたのか。
アルテルは、話を聞く度に目まぐるしく表情を変え、
まるで小さい子供がするように様々な質問を投げかけてきた。
私がいかに地球の事を知らずに生きていたのかを再認識しながら、
わかる範囲で質問に答え、出来る限り色々な話をした。
私には到底想像も及ばない程の相当長い年月を生きているアルテルでも、
知らない事は多く、もっと知りたいと話をせがんだ。
時には、少しも惑星を作らずに、およそ1日を過ごしてしまった事もある。
惑星の中の一つが、あくまで記憶と感覚で地球の時間経過に近いと感じた為に、
基準の惑星として選んだだけのことで、定かではない。




