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旅立ち  作者: 白銀みゆ
31/119

展開 5

6歳の頃だった。

いつも遊んでいた公園の片隅、

傷だらけで今にも死んでしまいそうなマロンを、

自分の服が汚れる事など考えずに抱き上げた。

誰に相談するでなく動物病院に駆け込んだのは、

動物の家族が欲しくて、何度か足を運んだ事があったから。


土曜日や日曜日、

動物病院の駐車場では、

ボランティアの集団が里親を募り、保護した動物を何匹か連れ、

朝から夕方まで興味を持つ人に受け答えていた。

最初の数回こそ、親に連れられていたが、

目移りして1匹に絞る事が出来ない私に痺れを切らし、

その後は一人で訪れていた。

家から大人の足で徒歩2分の場所だし、

いつも遊んでいる公園へ行く途中にあった為、

里親の募集がなくても、病院の中を覗き込んだりしていた。


何度目かの里親募集で、右前足を失った猫の入ったケージの前、

じっとその猫を見つめていると。


「どこかで怪我をしてしまったみたいで、

 治そうとして自分で傷を舐めてしまったのね。

 ばい菌が入って、熱が出て、弱って動けなくなっている時、

 優しい人が見つけて、この病院に連れてきてくれたんですって。」


ボランティアの人は、隣に座って話してくれた。


「足を切らないと死んでしまうから、

 ここの先生が足を切って、綺麗にしてくれたのよ。

 足は失ってしまったけれど、今はすごく元気。

 あなたも、怪我をしている動物を見つけたら、

 病院へ連れて行ってあげてね。」


反射的に。

「うん!」

と、答えていた。

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