発見 13
ガラスでもプラスチックでもない器。
材質はわからないけれど、
透明で薄くそれでいて丈夫なもの。
中の空間だけを調整する事が出来るため、
部屋のパターンをいくつか保存している。
見た目はガラスケースに閉じ込められたミニチュアハウス。
その他に、自分の思い描く風景などを投影して眺めたりしていた。
器の中には最初から謎の物質が入っているようで、
その物質が可能な限り変化を見せる。
空間が器の中で完結している為か、世界は生まれず、
生き物も生まれてこない。
ただし、無限に色を変える絵の具のように使う事が出来るため、
人も物も植物も、描く事は出来る。
それらを動かす事が出来るため、
アニメーションや映画のような世界が出来上がる。
一連の動きを記憶させると、
ずっと繰り返している。
そういうものだ。
シルバルドは恐らくその物質で成長している。
しかし、その正体は謎だ。
器に入っている物質が、
元の物質に影響を与えずに増幅、成長などを促す物と考えるべきか。
シルバルドが自分の性質を変えずに吸収できる物体と考えるべきか。
此処では、いくらでも考える事が出来るけれど、
それを証明する手段が存在しない。
全て憶測。
何もかも、可能な限り試して行くしかない。




