発見 11
“このままで良い”と言うマロンを撫でると、
とても気持ちよさそうに、嬉しそうにした。
「わかったわ。」
理由は訊かなくてもいい気がしたから、唯そう告げた。
ふと先ほどのアルテルの言葉が過ぎる。
『私はこれまで創造者に制された事はありません。
彩伽が初めてですよ。』
湧き上がる疑問に言葉が詰まり、
思うように言葉にならない。
しかし、アルテルは何かを悟ったように。
「此処には彩伽のように世界を創る人が、
沢山居ますよ。」
そう言って微笑んだ。
「どういう、事?」
困ったような、心を痛めるような顔で立ち尽くすアルテルへ、
私は詰めようろうとしたけれど。
「彩伽…」
マロンが止めた。
「上手く説明が出来ないのです。
私も理解している訳ではないし、ただ、この世界の掟に従い、
為すべき事をしているだけの私は、
無知で無力な存在です。」
その言葉に、心が痛む。
言葉には出さなくても、追い詰めてしまった。
「ごめんなさい、アルテル。
あなたを責めるつもりはなかったの。」
言いながら、今ある状況を極自然に考えていた。
マロンが居て、アルテルが居る。
今はそれで十分だ。
どうやら時間は途方もなくあるようだし、
焦らなくても良いんじゃないか。
そうして、二人を抱きしめた。
二人も私に寄り添い、しばらくそのまま時間が過ぎた。
「シルバルド、なんとかしましょう。」
言葉以上の覚悟を持って告げると、
それは二人に伝わったようだった。
一瞬目を丸くして驚いたけれど、
すぐに張り切って声を揃える。
「うん!」
「はい!」




