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旅立ち  作者: 白銀みゆ
23/119

発見 11

“このままで良い”と言うマロンを撫でると、

とても気持ちよさそうに、嬉しそうにした。


「わかったわ。」


理由は訊かなくてもいい気がしたから、唯そう告げた。

ふと先ほどのアルテルの言葉が過ぎる。


『私はこれまで創造者に制された事はありません。

 彩伽が初めてですよ。』


湧き上がる疑問に言葉が詰まり、

思うように言葉にならない。

しかし、アルテルは何かを悟ったように。


「此処には彩伽のように世界を創る人が、

 沢山居ますよ。」


そう言って微笑んだ。


「どういう、事?」


困ったような、心を痛めるような顔で立ち尽くすアルテルへ、

私は詰めようろうとしたけれど。


「彩伽…」


マロンが止めた。


「上手く説明が出来ないのです。

 私も理解している訳ではないし、ただ、この世界の掟に従い、

 為すべき事をしているだけの私は、

 無知で無力な存在です。」


その言葉に、心が痛む。

言葉には出さなくても、追い詰めてしまった。


「ごめんなさい、アルテル。

 あなたを責めるつもりはなかったの。」


言いながら、今ある状況を極自然に考えていた。

マロンが居て、アルテルが居る。

今はそれで十分だ。

どうやら時間は途方もなくあるようだし、

焦らなくても良いんじゃないか。

そうして、二人を抱きしめた。

二人も私に寄り添い、しばらくそのまま時間が過ぎた。


「シルバルド、なんとかしましょう。」


言葉以上の覚悟を持って告げると、

それは二人に伝わったようだった。

一瞬目を丸くして驚いたけれど、

すぐに張り切って声を揃える。


「うん!」

「はい!」


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