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発見 4
生き生きと世界を巡るマロンが、
肉体的な痛みを感じないという事もわかった。
何しろ体重がないくらいなのだから、
もはや不思議な事ではない。
日々、2個程度増え続ける世界は、
現在200個余り。
まだ訪れいていない世界はあるものの、
中でも毎日必ず訪れる世界があった。
「3番目の世界で、また戦争が起こったんだ。
大勢亡くなったよ。」
マロンは、
日に日に人間と会話しているのと大差のない感覚になる。
比例して違和感が大きくなっていた。
「そう・・・」
世界の出来事に、干渉する事はできない。
私はただ、種を植え、惑星が安定するまで育てるだけ。
当然マロンも干渉は出来ない。
見て、触れ、触れられて、持ち帰る事は出来ても、
こと、人の間に起こる事となると、
手も足もでなかった。
“3番目の世界”は、地球にとても近い存在だ。
だから私もマロンも興味があった。
大地があり、木々が生い茂り、
川や海があって、大気に覆われている。
人間がおり、社会生活を営んでいる。
地球の歴史で表すと、
今はちょうど十字軍の時代の雰囲気が近いだろう。
ずっと戦争が続いている。




