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発見 3
マロンは世界に入り、
大地を自由に走り回った。
楽しそうに駆ける姿を見て、
とても嬉しくなった。
そうして世界に入れるのを確認した後に、
さらに此処に戻せるかを確認した。
一度入ってしまうと、
戻ってこないかもしれないという考えには、
後から至り、冷や汗をかいた。
その後、
世界から何かを持ち帰る事ができるとわかった。
これはマロンしか出来ない。
何度か私の意思で世界の中にある元を取り出そうと試してみたが、
これは叶わなかった。
マロンはどの世界にも入れる。
そして、例えその中で死亡したとしても、
此処へ帰ってくるだけ、と、既に判明している。
太陽のような世界や、
月のような世界へも行けるのが、
不思議で仕方がない。
しかし、答えの出ない事をいくら考えても仕方がない。
マロンは元々仕事を与えられる事をとても喜ぶ。
だから、サンプル回収のような事を始めた。
サンプル用に新しい入れ物を用意して、
世界の器のすぐ隣へ、
いくつかのサンプルを置けるよう棚を改造した。
それからと言うもの、
マロンは世界へ出かけるのを楽しみにしている。




