表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅立ち  作者: 白銀みゆ
13/119

発見 1

「マロン」


エサを用意して呼びかける。


此処へ来てどのくらいの時間が経ったのかを、

地球時間で正確に表す事は出来ない。

けれど、もう大分時間は経ったに違いない。

最初のうちはわからなかった事も、

マロンが現れ、行動を観察していたら、

大分わかるようになった。


例えば、マロンのエサの時間。

そして寝る時間。

思い起こせばいつも同じ時間にエサを食べ、寝ていた。

今も変わらないと信じ、

つけ始めた記録を元に考えると、

此処で過ぎた時間は、およそ3~4ヶ月といったところだろう。


「マロン」


マロンはいつでも予想外の所から現れる。

その度、驚かされた。

と、同時に、

この存在が、自分の作り出した幻影に過ぎない事を、

実感していた。


「彩伽!これ、おもちゃにしていい?」


壁や家具をすり抜け、

口にくわえて持ってきたものを床に置くと、

行儀良くお座りをして、

尻尾を振りながら見上げてくる。


「何を見つけてきたの?」


複雑な気持ちを気取られないよう、

精一杯に平静を装おいながら、

床へ視線を落とす。


「これだよ。」


それは、木の枝のようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ