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旅立ち  作者: 白銀みゆ
1/119

決別 1

腕を伸ばし、手を広げた。

そこに透明な壁があるような、

奇妙な違和感を覚える。


『わたしは此処にいる?』


水面に触れた様に目の前に広がる波紋。

世界は歪み、

元から居た場所が水中であったかの如く、

身体が浮力を感じた。

温度は変化なく、

気付けば世界は遠く、

手を伸ばすとピンポン玉位の大きさ。

更に閉じていく世界が、

やがて完全に見えなくなると、

辺りはしばらく暗闇に包まれていた。


落ちているのか、

上がっているのか。

あるいは自分自身の身体は全く動いておらず、

周囲の景色だけが変化し続けているのか。

全く判断がつかないまま、

しばらく呆然としていた。


『ここはどこだろう』


そう思うと、

身体の後ろから小さな泡のようなものが、

沢山通り過ぎていく。

ビー球くらいの大きさのそれらは、

目をこらすと何かが見える。


『もう少し、よく見たい』


すると、直径20cmくらいの水晶玉のような形になったそれらが、

我先にと集まり、その速度に恐怖を覚えた途端全てが止まった。


『この場所は、思うとおりに動いている。』


気付いて、そっと手を伸ばした。


「一番近くにあるやつ、ここにおいで。」


そう告げると、すんなり一つの玉が手に乗った。

中を覗くと、そこには山や川の続く自然風景。

海辺の楽園のような場所。

空中に浮かぶ都市。

様々な景色が広がっていた。

そうして暫く見ていて、

これは世界だと理解した。

空中都市がある以上、

地球上の別の場所でない事は、明らかだ。


しかし、いくら考えても答えは出てこない。


『誰か、教えて!』


頭の中で叫んだ瞬間、

目の前に、

うさぎが二本足で歩けるようになったかのような、

不思議な形の存在が、白く光って目の前に現れた。


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