猫耳メイド!?
光が消えて目を覚ます。
さっきまでのは夢?じゃないようだ。
「あの女神、何の説明もしなかったな。」
見知らぬ天井を見上げている、どうやらベッドに寝ているようだ。
「痛っ」
起き上がろうとすると頭に激痛が走った、額に手をやると触ってわかるほどの大きめの傷があり包帯が巻かれているようだ。
(俺は怪我してるのか?)
怪我をした記憶はない、間違いなく転生しているようだった、部屋の家具にも全く見覚えがないものばかり。
(どこなんだここは?)
とりあえずベットから出ようと立ち上がろうとした時、小さな足音が聞こえてくる。
(こっちに近づいてくる?隠れた方がいいのか?)
急いで布団に戻るとガチャっと扉が開いて人が入ってくる。
「え!?」
入ってきた人物はかなり驚いた様子で待っていた水瓶を落としてこちらに駆け寄ってきた。
「坊ちゃん、意識が戻られたのですね!よかった」
坊ちゃん?って誰だ?俺…のことか?
「どうされたんですか?やはりまだ頭の傷が痛むのですか?」
顔を覗き込むように話しかけてきたのはメイド服を着た女の子。だが見慣れない猫耳が付いている。明らかに自分の知ってる世界にはいなかった人種〝獣人”だ!その姿に多少の興奮してしまうが、とりあえずは不審者とは思われてないらしい。
(よかったいきなり不法侵入で牢屋にブチ込まれるとかは勘弁だぞ。)
「えっと、ここはどこなんですか?」
とりあえずここがどこか質問してみることにした。
「覚えてないんですか?ここは坊ちゃんのお部屋ですよ。坊ちゃんは屋根から足を滑らして転落してしまったんです。もう、2日も目を覚さないから私、このまま意識が戻らないんじゃないかって思って」
猫耳メイドは説明の途中で泣き出してしまった。
やばい、泣いた女の子を慰める方法なんて知らないぞ、どうすればいいんだ?
あたふたと悩んでいたら部屋の扉が開いて誰か入ってきた。
「ん!おー!目を覚ましたのか息子よ。」
息子?誰が?
そこには身長170センチほどでふくよかな体つきに髭を蓄えた男が立っていた。
「ん?どうした、不思議そうな顔をしてまさか記憶喪失にでもなっているのか?」
男は俺の顔をじっくり見てくる。
ここはとりあえず記憶喪失ってことにしておいた方が何かと都合がいいか?ええいままよ!
「えっとどうやら頭を強く打ってしまったようで何にも覚えてないんです。あなたは一体…」
「なんと本当に何にも覚えてないのか?」
「ええ」
「それは、困ったな」
男は困り顔で何から説明すればいいのか悩んでいるようだった。
「名前は?自分の名前は言えるか?」
「名前?名前は……思い出せません。」
「なんと!名前も思い出せないのか」
日本にいた頃の名前を言う訳にもいかず完全な記憶喪失を装うことにした。
「お前の名前はウィリアム!ウィリアム=ゴルドバーミアスだ!思い出したか?」
ウィリアム=ゴルドバーミリアス?ゴルドバーミリアス家のウィリアムってことだよな?
「すみません、全く思い出せません」
「なんと、ではメイドは!メイドの名前は覚えているか?」
そう言って猫耳メイドの方を指さしながら尋ねてくるがもちろん全くわからない。
「いえ、わかりません」
その言葉を聞いた猫耳メイドはショックだったのか泣き止みかけていた顔がまたひどくなってしまった。
「坊ちゃん、私はリーファですよ!この屋敷のメイドであり坊ちゃん専属の奴隷メイドですよ。」
「専属の奴隷メイド?」
あまりに衝撃的な発言に驚き、頭の傷の痛みが一瞬消えてしまうほどだった。




