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第20話 悪役令嬢ハナにゃんと見知らぬ場所。顔がいいやつはあやしい。

 学園長室で渡された手紙の内容を知らぬハナちゃんは、お兄様のいなくなった教室で「にゃーん、にゃーん」と苦情を言っていた。

 なぜなら、彼女の連れてこられた場所が『邪魔者は存在しない』どころか『他の人間も存在しない』教室だったからである。


 一応学園側にも言い分はある。


『大人しい猫ちゃんと聞いていたのですが……』というものだ。


 どうやら『悪役令嬢ハナにゃん』の何かが彼らの想像を超えてしまったらしい。

『大人しい猫ちゃん』の定義は不明だが、ハナにゃんの猫レベルでは『授業中に席を立ってしまう』どころではない問題と騒ぎが発生すると、彼らは考えたようだ。


 何故か人前でブリッジをすることになった女生徒と、その腹で激しい爪とぎをしたハナにゃん。

 今回の処置にその二つが関係するかは不明である。


 そのような経緯で『猫ちゃんの授業態度を見てから決めます』という意味合いの言葉が、乱れた文字で、くだんの手紙に綴られていたのだ。


「にゃーん、にゃーん!」


『誰か出てこい』的な意味合いの鳴き声が、アンティーク調の内装が美しい教室に響いている。

 だんだん『オアー』に近付いてきた悪役令嬢の呼び声に答えるかのように、ドアが開く。


「授業を始める。私語は慎むように」


「オアー!」


『ウルセー!』と聞こえなくもない鳴き声が、堅物イケメン教師のなきぼくろに『オアー!』とぶつけられた。

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