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第二十話


 四月、俺は二年生になった。クラス替えというイベントは多くの学生にとっては大きなイベントな訳で、友達と同じクラスになれたらだとかもしくは好きな人と一緒になりたいだとか。そんな思惑があったりなかったり……まぁ俺はそんなものない。



 強いていうならあの二人と同じクラスにならず今年は一人で過ごしたいというのは思ったけれど……なんかもう別になんだかんだ振り回されるのも悪くないと思ってきた自分はヤバイ奴だとは感じる。



そんな事どうでもいいを考えていたらクラスわりの紙が貼ってある掲示板の前についた。流石にクラス替えという事もあり少し早い時間にも関わらずちょっとした人だかりが出来ているようだ。



俺は後ろの方で自分の名前を探す。ホント便利な名前だ。よく見なくても大体一番上にあるんだから。そのお陰でこんな人混みの中にいる時間が減るのは助かる。




「あった。」




見つけた俺は二年四組か。よし、自分のクラスも分かった事だしもう行くか。俺は再び歩き始めた。



 数分後、俺は教室に着き扉を開ける。……どうやら一番乗りではなかったらしい。そこには生徒二人が仲良く談笑している姿が見えた。



「げっ……」

 


 一人は飴色の髪を二つまとめゆるめのパーカーが似合う美少女に間違う程の少年。そしてもう一人は……白銀の髪が眩しくてそのサファイアのように青く大きな瞳を揺らす美少年。




……そう。水無瀬 翠と柊 雪璃の姿がそこにはあった。



「げっ……って酷すぎるだろ。なぁ楓?」

「おう。」



とか言いながら翠は下手くそな泣き真似をする。お、おいチラチラ見んな。


「クラスも一緒なんだし……」

「てか珍しく早く学校に来てるのな。」



「人の話聞けよ。いやぁ別にオレもこんな早く着くように行こうとは思ってなかったんだけどよ、雪璃がさぁ「新学期から学校遅刻するなんて流石に怒るよ!」って言ってきて引きづられて来たんだわ。」


「ふーん。」

ああ……想像がつく。



「お前が聞いてきたクセに反応薄くねぇか?なぁ雪璃!楓の機嫌が悪い!!」


「いや別に機嫌が悪い訳じゃ……ってどうした?」




「へっ?」

「いや顔……」


「嘘、そんな変な顔してた!?」



「変な顔じゃないけどなんだか恋する乙女みたいな顔してたからさ。」


「えっ本当!?うわ〜なんともお恥ずかしい……」

そう言いながら雪璃が顔を手で覆い隠す。


あっ、これマジで恥ずかしがってるわ。というか雪璃のあんな顔初めて見たな。気の所為……ではなかったよな?じゃあなんで?



「おい、翠。何ニヤニヤしてんだ。」

「別に〜?」

ニヤリとしたままの翠が答える。ムカつくな、顔が可愛いから尚更。でもどこにニヤニヤする要素があるんだろうか。




よく、分からない。





今回からは二年生編です!同じクラスって事は……楓はどんどん振り回されて行くんでしょうね!でももうそんな状態を楓は渋々受け止めちゃってます(笑)


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