第玖什話 髪型変えは少しのロマン
「おめでとう月斗、お前は超人の域だ。」
「えっ…」
『手を払っただけで魔法無効化する人は殆どいません。』
「いやぁまさかここまでとは…」
「あのね月斗さん、私の焔ってこんなくらいの火力なの。」
そういうとエミリアさんは木の枝を拾って火をつけ、空へ軽く放った。
「…枝、落ちてきませんね。」
「そりゃそうですよ、燃え尽きたんですから。」
生木ってなかなか燃えない筈なんだがなぁ…
「これって普通の人が受けたら…?」
「火傷どころじゃ済まないはずよ。」
えっ怖っ…
「それをまさかここまでとは…自信なくしちゃうわ。」
「な…なんかすみません。」
「お姉ちゃんの焔でダメなら私の雷もダメそうですね?」
「多分そうね。」
「月斗がかなりおかしいのは分かっていたが…流石に予想外だ。」
かなりって…
「…………とりあえず髪切っていいですか。」
「じゃあ名誉挽回のために私が切っていいかしら?」
「あはい、まあどうぞ。」
「ちょきちょき…完成!」
「やっと軽くなった。ありがとうございます。」
「よく似合ってますよ!格好いいです!」
「まあ俺からはどうなってるのか見えないわけだけど。ありがとな。」
『こんな感じです。その髪型好きですよ。』
頭の中に直接イメージが…ってこれウルフカットだな?
『ああなるほど…ありがとうございます。』
「ぼぉーっと…よし、切った髪の処理も終わりね。」
「髪切ったから視界が広いな。よっ、ほっ、せいやっ!うん。」
「長い黒髪を靡かせてたのも美しかったですけど、短髪は横顔が見えて格好いいですね…」
「うむ、凜々しくなった。いつか戦りたいものだ。」
「今は勘弁な。」
「さて…割と早めに終わったな。」
「魔法の練習でもします?」
「俺は向かいたい処がある故ここで。」
あ、行っちまった。別行動してたとき夜中以外見てないな。流石出身地なだけある。
「そうさな…俺の魔法についても説明しとかないといけないしな。」
「え?魔法使えるようになったの?」
「特異かつ限定的にですけどね。」
「何なの…この人…」
「来年を語っても鬼が笑わないような成長速度ですね…」
その諺こっちにもあるんだね。
第玖什話 髪型変えは少しのロマン




