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第玖話 薫さんと銭湯

エミリアさんに温泉の話を聞いて5分ぐらいするとシエルが戻ってきた。

「月斗さん、温泉行って来たらどうですか?結構適温で温まりますよ。」

「ああ、今話を聞いたところだ。じゃ、温泉行ってきますか。」

「行ってらっしゃい。」

俺は家のタンスの中にあったタオルと作ってもらった着替えを持って家を出た。

ドアを閉めるときにシエルがぼそっと「一緒に行きたかったのに…」と呟いたのは聞こえなかったことにしておこう…


 ◇ ◇ ◇


「お、これか?」

少し森に近いところに大きな建物があってもうもうと湯気が立っている。扉を開き中に入るとそこには日本の戦闘にかなり近い…というよりほぼ銭湯が待っていた。

「お、いらっしゃい。」

いきなり話しかけて来たその少女は自分の身の丈には合わないような番台の席に座布団のようなものを敷いて座っていた。

「あれ?見ない顔だね。もしかしてさっきシエルちゃんが言ってた月斗くんかな?」

「確かに俺は月斗だが君は?」

「ああ、申し訳ない。僕はこの温泉を経営しながらこの裏の森で牧場を営んでいる薫と言う者だ。『薫』と書いてかおるって読むんだ。みんなからは薫さんって呼ばれてるよ。」

「随分と和風な名前だな。」

「和風を知ってるのかい。すると名前も合わせて東の国の出かな?」

「いや、そんなわけじゃないんだが…」

「何だ、違うのか。ま、そんなこんなでこれからもご贔屓によろしく頼むよ!」

「ああ、宜しく。」


 ◇ ◇ ◇


ふう、結構いい湯だった。なんというか、どう見ても日本の銭湯にしか見えなかったし、牛乳もあったし…

「ただい、ま…」

帰ってくると家の中が非常に暗く、明かりは机の上で燭台に蝋燭が燃えているだけだった。

「何を…してるんですか?」

その燭台を挟んで向かい合うようにシエルたちが座っていた――――――

第玖話 薫さんと銭湯 完

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