第捌什話 神人問答・純潔
『まあ、数え切れないくらいの神がいるのですよ。』
「狛犬は流石に聞いた事無いですがね…」
2人で1つの神なのか分身するのか…想像がつかん。でも神社にいるんだろーな。
「なら、チグメ様は何の神様なんですか?」
『ふふ、何だと思いますか?当てたらご褒美をさしあげます。』
質問を質問で…っとツッコミは別に良いか。
「えー。変身してる鳥は違うんですか?」
『あれは割と自由に変えられます。あの姿が一番人里では怪しまれないかと。』
「じゃあ関係ないか…なら背中の翼は?」
『それは関係あるかもしれませんね。』
白鳥、鶴、鳩、図鑑で見たのとはどれも違うんだよな。白い鳥…?あっそういえばさっき…
「正式な名前じゃあないですけど、白鷺…とか。」
『まあー…正解ということにしましょうか。』
「白鷺って鳥は存在しないですからね。」
日本じゃダイサギ・チュウサギ・コサギの俗称だったかな。まあその3種類だけじゃないはずだが。
『約束通りご褒美をあげましょう。』
「ああはい、これはどうも…」
『何が欲しいですか?』
聞いてくるタイプかぁ…
「今は…何も。この世界に存在しないものなら欲しいですけど。」
『では、私の片翼を…』
「展開によっては大変なことになるので心の底から遠慮しておきます。」
『なら何か欲しい物を…物品でなくても何かないですか?』
答えないと片翼もいでくれるの?やだよ?
「あ、じゃあ翼の羽繕いさせてくれませんか?」
『羽繕い?』
「ええ、鳥状態の翼しか触ったことがないので…」
大型の鳥の翼は未体験だからちょっと触ってみたかった。向こうの世界で雀とか烏の羽はたまに道に落ちてたからな。
鳥博物館みたいなところで中型の鳥との触れ合い体験みたいなのもあったし。
『そ、それは構いませんが…その…』
「その?」
『その…そこを他人に触られるのは初めてなので…痛くしないでくださいね?』
「俺も(大きな羽を触るのは)初めてなので痛くしたらすぐやめますね。」
『お互いに初体験なんですね…ふふふっ…』
第捌什話 神人問答・純潔 完




