第捌話 衣服と温泉
「そういえば、こっちの世界にも家畜がいるんだな。」
「はい、主な家畜は3種類ですが王都とか他の国にはもっとたくさんいると聞いたことがあります!」
さっきのエミリアさんの話を聞く限り『モーギュ』『ダートン』『骨鶏』の3種類だろう…
「明日からは家畜と山菜、薬草等の世話の仕方を教えてあげますからね。」
「あ、ありがとうございます。」
「あ、そういえば王都にも物を売りに行ってもらう、と言われたんですが王都はどんなところなんですか?」
「王都はここから北に結構行ったところにあって、行商人や珍しいものが集まるところです!」
口いっぱいにご飯を含みながらシエルが言う。
そういえば当たり前に感じていたが、こっちには米そっくりの穀物があるんだな…
「「御馳走様でした!」」
向こうの世界じゃ飯を食べたら風呂に行っていたが…こっちには風呂はあるのだろうか?
「じゃ、お姉ちゃん、行ってきま~す」
「はい、行ってらっしゃい。(にっこり)」
こんな遅くからどこに行くんだ?
「あの、エミリアさん、シエルはどこに向かったんですか?」
「ああ、村の東側にある温泉に向かったんですよ。」
温泉!?この村温泉が湧いているのか!
「1日の終わりに温泉に入って体をきれいにするんですよ。あとで月斗さんも行ってみてね。」
「でも着替えが無いんですよね…」
「実はこんなこともあろうかと月斗さん用の服を作ってみたのです!これサイズ合いますか?」
「おお…」 仕立ててくれたその服は恐ろしいほどに俺の体にぴったりだった。
「ありがとうございます!」
「いいんですよ。」
とりあえず風呂と衣服事情もなんとかなりそうだ…
第捌話 衣服と温泉 完