第漆什話 仲間が一人?増えました
結局瞑想したり、動物達と追って追われたり、茶を嗜んだり、魔力酔いで倒れたりしてるうちに結構な時間が経っていた。
「さて…そろそろ戻るとするよ。外は一応夜だし俺も眠いし。」
『多分外に出ても数分しか経ってないのでそこそこの時間は眠れるでしょう。』
「あーそこはご心配なく。自分、他の人より睡眠時間が少なくても大丈夫な体質なんですよ。」
こっちにも同じ体質の人がいるのかな?俺は四時間寝れば特に異常なく行動できるけど。
それ以上寝たり寝なかったりすると…うん…
『あら羨ましい。自分からその体質に変えられないかしら…』
「いやー、いいもんじゃないですよ?他人より多い時間動けるから仕事頼まれやすいですし。」
何より元の世界で人力チートだの人生2週目だの主人公補正だの神から寵愛を受けてるだの色々言われたからな…
『ふぅん…くれぐれも体は大切にね?貴方だけの体じゃないんだから。』
「…? それってどういう…」
『今は分からなくていいわ。必ず分かる日が来るから。』
「あ、はい。じゃあ今晩はありがとうございました。近いうちにまた来ますわ。それまでお元気で。」
『またね。』
♢ ♢ ♢
「えーと、今は…3時くらいか?この世界良い家じゃないと時計無いんだよな…腕時計とか持ってないし。」
『大体3時半くらいね。』
「そんなかぁ…早く帰らないとなぁ。」
んーー?
「どこにいるんです?」
『上です。』
と、同時に頭の上にちっちゃい鳥が降りる。
「いや上って言われて頭の上に乗られるのは初めてですわ。」
『こっちにいるときはこの姿で着いていきますねー。あ、あの場所は私に言ってくれればいつでも行けますので。』
「あっはい…」
細かいことは考えないようにしようか。
『…』
「…もしかして結構頭の上が居心地良いとか思ってません?」
『…思ってません。』
「まあいいや、このまま着いてくるなら何があっても怒らないで下さいよ。多分皆ペット扱いですよ。」
『そこは貴方のペットってことにしておいてくださいね?』
それでいいのか神よ。異世界人とは言え人の身で神を愛玩動物扱いするのは如何な物か…
第漆什話 仲間が一人?増えました 完




