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第陸什伍話 新神さんいらっしゃい

『さてさて、この状況を狼の遠吠えのマネ程度で乗り切れるかな?』

『おいサラッと思考を読むな!』

『まあまあ落ち着きたまへ。手伝ってあげようじゃないか。』

ぬ…それならそれで良いんだけどさ、さも当然のように心を読むのはやめていただきたい…

『確か最近この辺にとある神が来てるはず…おーい、いるかーい?』

特に何も無いはずの空へ向かって呼びかける神。

神が神を呼ぶってどういうことだ…ややこしやー。階級でもあるのかな。

『…何か用?』

姿は見えないけど声は聞こえる。結構細くて綺麗な声。透き通っているが今にも消え入りそうな声。

『ちょっとねー、この月斗君が困ってるらしいんだ。どうにかならないかい?』

「この壁はぶ厚くて超えられそうにないですね…どこから音がしたんでしょーか?」

『やべ、そろそろバレるかもしれんな。』

『了。事情は理解した。』

そう耳に届いたとほぼ同時に俺ではない狼達の遠吠えが響き渡る。

「きゃっ!狼!?」

「あら、てことはこの声の子達が音の正体だったのかしら?」

「なるほどなー。お姉ちゃんは賢いなぁ…」

『…あとで2人に色々教えとかねぇとな…』

『まあとにかく。お礼は良いなよ?助けてもらったんだから。』

『あ、ああそうだな。今俺の目からは視認出来てませんけど助けてくれた御方、本当にありがとうございました。』

圧倒的深謝の気持ちを持って礼をする。見えないからどこにいるか分からないがな…

『夜、丑三つ時に近くの竹林で。』

『えっ?』

その言葉を理解出来た頃には声の主はもういなくなっていた様だった。

『もうのぼせる寸前だし上がろうかー。倒れて溺れたら僕の腕力じゃ引っ張り出せないからね。』

『おうそうだな。折角助けてもらったんだしここで倒れたら笑いものだ。』

『そうなったら僕が末代まで語り継いであげよう!』

『やめろぉ!』

第陸什伍話 新神さんいらっしゃい 完

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