第参什捌話 シエルの才能開花!?
「おおーい、シエルー。」
「あ、月斗さん。どうしたんですか?」
「どうしたって…もうこんな時間だろう?晩御飯を食べに行こうかと思ってな。」
「ああ、そういうことですか。だったら師匠に挨拶してから行きましょう!」
と、そこにフラッフラで今にも倒れそうなユリシアが歩いてきた。
「う~…や~っとお迎えか…」
「じゃあ師匠、お疲れさまでした!」
「お、おう…私もご飯食べて寝る…」
「また明日もよろしくお願いしますね♪」
「マジか…ちょっと月斗君いいかい?」
「…?はい。二人とも先に行っててくれ。」
二人が出て行った後で俺に話し始めるユリシア。
「あのさぁ、あいつはどうにかならないのかね。あれからずっと練習に付き合わされていたんだ。」
「そ、それは大変でしたねぇ…でも、ああなったシエルは止めようがないんです。」
「おっふ…あんなんで筋が良いってところがさらに疲れる…」
「筋良いんですか?」
「ああ…弓の持ち方、引き絞り方、撃ち方を教えたらすぐ出来るようになった。」
「へえ…じゃあ、旅に出るまでには戦力になりそうですね。」
「ああ、旅に出るために特訓してるんだっけ。」
「はい。俺自身も魔法と剣を教わるつもりです。」
「まあ、あの子に程々にするように言っておいてくれ。あれじゃこっちの身が持たない。」
「あはは…ま、まあ言ってはおきますけど多分聞きませんよ?」
「ま、言っておいてくれるだけでも気疲れは違うから。」
「はあ…じゃあ、俺はもう行きますね。二人も待っているだろうし。」
「ああ、またな。進言の件、よろしく頼む。」
「じゃあ、また。」
♢ ♢ ♢
ユリシアと別れた俺は、ベリルと初めて出会った酒場の近くに来ていた。
「えっと…確かこの辺にある酒場に居るって言ってたけど…お、あれか?」
大きな扉を開けて中に入ると、そこには大量の人と活気のある声が広がっていた。中には冒険者や商人のような人もいた。
「うわ、凄え。夜の酒場とか初めて入った。」
「おーい、月斗さ~ん!こっちですよぉ~!」
「あ、シエル。」
シエルに呼ばれ席に着く。既にエミリアさんがいくつか注文しているようだ。
「すまない、遅れたな。もう注文したのか?」
「ええ、飲み物も頼みましたし、料理も頼みましたよ。」
「メニュー表どうぞ。何か欲しいものがあったら頼んでいいんですよ?」
「ああ、ありがとう。」
メニュー表を開くと、かなりの数のおいしそうな料理がまさかの絵付きで掲載されている。
「ものすごい量だな。ここはいったい何人で接客しているんだ?」
「はいは~い!おまちどうさま!いっぱい食べていってね!」
おいしそうな料理の数々を眺めていると料理が運ばれてきた。
「料理も来ましたし食べましょうか!いただきま~す♪」
「私達も食べましょうか。」
「ん、そうだな。」まあ、追加注文はあとからでもいいか。今は料理を食べつくすことに専念しよう。
第参什捌話 シエルの才能開花!? 完




