第参什伍話 クレアさんの実験結果
「うわっ!?」
突然クレアさんにより改造された魔力紙が光を放つ。
「眩しっ!?」
でも、すぐに光は収まり、魔力紙は地面に落ちる
「ふむ…どうやら成功ですね♪」
魔力紙を拾い上げ、内容を確認したクレアさんは満足げに頷く。
「うう…びっくりしたぁ…」
「全く…光るなら光るって言っておいてくださいよ…」
「うふふ、ごめんなさいね♪なんせ試すのはこれが初めてだったから♪」
「そんなものを俺に使わせたんですか!?」
「さて、結果が出ましたので、これから発表したいと思います。」
「話聞いてくださいよ…」
「あ、クレアさん、その前に一つ質問していいですか?」
シエルが手を挙げる。
「はい、シエルさん。」
「その魔力紙、普通と違うと言ってましたけど、どこが違うんですか?」
「あ、それは俺も気になります。」
「いいでしょう。それでは私の作ったこの魔力紙の効果をご説明いたしましょう!」
誇らしげに胸を張り、説明を始めるクレアさん。
「まず、魔力紙は魔力を込めるとその人の持つスキルが映し出されるのは知ってますよね?」
「「はい。」」
「私はそこを改造して『その人の秘められたスキル』を映し出す、という物にしたんです。」
「?」
説明されてもわからない様子で首を傾げるシエル。後でわかりやすいように説明しておいてやるか…
「なるほど、つまりそれを使えば、その人が本当は何ができるか分かる、ということですね?」
「そういうことです。でも、作るのが大変なので量産できませんけどね。」
「で、結果はどうだったんですか?」
「これを見るに月斗さんは『氷結』の魔術が使えるかもしれません。」
「氷結…?」
「簡単に言えば氷を操る魔術です。」
「ああ、なるほど。」
「でも、今はその能力は限りなく小さいですけどね」
「じゃあじゃあ、使えないんですか?」
「いえ、訓練すればできるようになると思いますよ?訓練するかどうかは月斗さん次第ですが。」
「月斗さん!やりましょうよ!なんだか面白そうです!」
「ええ…」
なんか…話がおかしな方向に進んでいっている気がするが、元々そんな感じだし気にしないでおこう。やらない、と言うと不機嫌になりそうだし、少しだけ教わってみるか。
「じゃあ…旅に出るまでの時間で教わりに来ますよ。」
「では、よろしくお願いしますね♪」
「そういえば協力したお礼の弓使いの人の場所を言っていませんでしたね。」
「あっ…すっかり忘れてました…」
「それでは、闘技場の近くにある修練場に向かってください。」
「「修練場?」」
「はい。そこに私が知る中で一番の弓使いがいるはずです」
「ありがとうございま~す!」
「いいえ、私も楽しかったですから♪」
さて、じゃあ修練場に行って弓使いさんを探しますか…
第参什伍話 クレアさんの実験結果 完




