第什陸話 晶霊について特訓開始?
「さて、月斗さんがこの前の『あれ』について気になっているので説明しようと思います。」
「宜しくお願いします。」
温泉での出来事があってから帰宅した俺は早速シエルに教えを請うことにした。
「まず、月斗さんが昨日見た『あれ』は魔力の結晶です。」
「魔力の結晶?」
「ええ、この世界には『晶霊』がいるんです。人によっては『精霊』って呼ぶ人も居るらしいです。」
「晶霊…」
「晶霊はランクが分かれてて、1番下の『小晶霊』。真ん中の『晶霊』。それら2つを管理する『大晶霊』の3つです。大晶霊は『統括晶霊』とも呼ばれているんだとか。一説によるともっと上の存在が居るらしいですけど…本当のところはわかりません。」
「なるほど。小晶霊、晶霊、大晶霊の3つが居てもっと上の存在が居るかも知れないってことか。」
「で、魔術の発動の仕方としてはどこにでも居る小晶霊に語りかけつつ、頭の中で発動時のイメージを思い浮かべる。これだけで発動するはずです。」
「あの〜…1つ問題なんですが。」
「なんでしょう?」
「小晶霊、見えません。」
「あっ、そうか。月斗さんは違う世界から来たって言っていましたから見えないんですね。」
「それらは見えるようになるのか?」
「う〜ん…どうでしょう。やりたければ明日から特訓してみますか?」
「出来るのか?」
「出来はしますけど…お姉ちゃんのほうが上手い気がします。」
「じゃあ、明後日から特訓始めましょうか。」
「うおっ!居たんですか…」
「うふふ、ずっと聞いていましたよ。始めるのであれば宜しくね?」
「宜しくお願いします。」
「決まりですね!」
「じゃあ今日はもう寝ましょうか。」
二階へ上がり布団に潜り込み、無事眠気が顔を出してきた頃に…
「明日は王都に行きますよ〜」
「ゑ…?」
第什陸話 晶霊について特訓開始? 完




