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この部活は何かがおかしい!  作者: 高坂あおい


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身の回りの物はどこかおかしい!

「解熱鎮痛剤ってあるじゃん? あれさ、個人的には男女平等に反すると思うんだが」

「すいません。途中からまったく頭が追いついて行きませんでした」


 放課後の俺と部長しかいない部室。

 他のメンバーは用事があると言って帰ってしまったので、変な話題を取り上げるのは勘弁して欲しいところ。


「今日化学でアセチルサリチル酸っていうのが解熱鎮痛剤だって習ったんだけど、私は思ったんだ。男にチンをつけるのは当然として、女なら変わるんじゃないかって」


 環境保全について議論する時のような大真面目な顔でそんなことを言ってくるものだから、俺の手に負えるはずもない。


「おい。なんで黙るんだよ」

「いや、もう帰ろうかな、と」

「手ぶらで帰るつもりか?」

「……なんで俺のバックを部長が持ってるんですか?」

「今はそこじゃないだろ」

「最近消しゴムがよく失くなるんで、割と大事なことなんですけど」


 これは事実。

 落とした記憶が無いのに、気づけば筆箱の中から消しゴムが消えているのだ。

 神隠しならぬ、消しゴム隠し。

 字にしてみたら、ただのイジメだった。


「それは完全にお前の不注意だろ」

「盗みって大概それで片付けられちゃうの怖いですよね」

「とりあえず……このままお前に帰られる訳にはいかないから、お前のカバンは没収継続だ」

「はぁ……」

「諦めろよ。それじゃあ、さっきの続きなんだけど――――」


 物は失くなるし、部長のどうでもいい話に付き合わされるしで、最近とことんいい事が無い。

 俺のスマホの受信音が部長の話を遮ったのはまさにその時だった。


「ん?」


 一時的にでも部長の話から逃げれる理由を作ってくれた救世主のようなメールの送り主は遥だった。

 あいつもたまには……


『そういえばなんだけど。今日でしょーまの消しゴムが62個になってたから、明日返すね』


 それを理解するのにどれだけの時間を要したのかは分からない。

 その代わりにわかったのは――――


「犯人はお前かぁぁぁぁぁぁい」

「いや、さすがにお前も気づけよ」

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