作者の謝罪は何かがおかしい!
「まずは、あたしの方から謝罪をしよう」
「は? 急にどうしたんですか? っていうか、俺たち長野にいたはずなんですけど!?」
気づけば、長野の旅館ではなく、いつもの見慣れた部室に俺たちはいた。
しかも、俺と部長の二人だけ。
遥と彩乃先輩の姿は見えない。
ふと、窓の外を見てみればもう夕方なのに、部室の電気はついておらず、その薄暗さが妙な不気味さ生み出していた。
「あぁ、訳あってあたしたち二人は学校に戻ってきている」
「訳あってで済まして良くはないと思うんですけど」
「そうだな……確かに、翔真の言う通りだ」
そして、部長は唸って悩んだであろう末に、口を開いた。
「まぁ、端的に言うと、この世界の創造者が次なる運命を決めてないのが理由だな」
「いや全然わかんないっす」
話を最後まで聞いた上で即答した俺は、一度席に着く。
この世界の創造者だの、次なる運命だの、今頃になって厨二病にでもなったのかと思ってしまうような発言内容。
実際、普段の言動は中二レベルではあるのだが。
「もうちょっと分かりやすく言ってもらわないと」
「いいのか? 言ってしまっても?」
「の、望むところです」
普段とは異なる妙な圧を纏った部長に負けず、真っ向から部長の言葉を受け止める決意をする。
そして、緊張で体が少し硬くなる俺に、部長が大きく息を吐いてからその事実を告げた。
「作者のクソ野郎がよく分からん用事とやらで書いてなかったんだよ、今週分の話を」
「うわぁぁぁぁぁ! メタイ! メタすぎる!」
こんな話聞きたくなかった。
俺はあまりの苦しさに、両耳を塞ぎ、両目まで瞑って部長の声を遮断しようと試みる。
しかし、突然鳴り始めた足音は手の隙間から滑り込むように入ってくる。
そして、次第にその足音は俺の方へと近づいてくると、コツっと小気味よい音を最後に止まった。
「ぶ、部長?」
「ごめんな……さい……」
「ひぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「うおっ!?」
「うわわっ」
「さ、さすがの私でもびっくりしたわよ……」
深く暗い森の中から出てきたかのような感覚と共に、俺は勢いよく身体を起こした。
起こして直ぐに、「自分が起き上がった」という事実にびっくりして辺りを見渡す。
薄暗い教室の中ではなく、一目で和風建築だと分かるような内装が目に入ってくる。
「ここは……松本?」
「んあ? そうだよ、ここは松本だよ」
「もう! のぼせたせいで記憶無くしちゃったの?」
「いや、無くしてない。思い出してきたよ」
「何やら相当な悪夢を見ていたようね」
「えぇ。普通に恐怖でしたよ」
色んな意味で、だが。
すると、部長が指をパチンと鳴らす。
「よし、それじゃあ翔真にコーヒー牛乳でも飲ませて、ちょっと休ませたらやるか!」
「何をですか?」
「温泉と言えば、卓球だろ!」
読んで頂きありがとうございます!
話の中で由宇にも言わせたのですが、本当に申し訳ありません
いや、時間がなかったんですよ。今もないんですが(笑)
というわけで、時間無いなりに頑張って書いたので、ぜひ評価のほどよろしくお願いします!
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