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この部活は何かがおかしい!  作者: 高坂あおい


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俺らの温泉入浴はどこかおかしい! 前編

「ふー食った食った」

「由宇、年頃の女の子なんだからそんな言葉遣いしないの」

「そうですよ、部長。そんなんだから、いつまで経っても背が伸びな――――」


 刹那。

 眉間に強い衝撃が走った俺は、その衝撃に押されるようにして後ろへと倒れこんだ。


「いってぇ」

「ふん、余計なことを言うからそうなるんだ!」


 お怒り心頭の部長だが、それより先に何が眉間に当たったものが気になり、体を起こす。

 すると、ポロっと畳の上に落ちる一つの袋。

 見ると、中にはそれは見事に真っ二つに割れたせんべいが入っていた。


「あー、二ミリズレたな」

「な、なにがですか?」

「せんべいの真ん中からだよ。だから、それ二つの大きさは同じじゃないぞ」

「は、はぁ」


 もう部長の話についていくことを諦めた俺は、気づけば横にいた遥にせんべいを渡して、大の字で寝転がった。


「そういや、今って何時だ?」

「今は大の字です」

「お前の状態なんか見ればわかるわ」

「今は無事よ」

「うん。有事だったら困るしな」

「今は謝辞です」

「お前はせんべいだろ。しかも、翔真相手に言ってんだろ」

「いや、せんべいを食べやすく割ったのは部長じゃないですか。だから、ちゃんと部長相手ですよ」

「おっそうか……どういたしまして…………じゃなくて! もういい! 自分で見る!」


 そう言って自分のスマホを確認する部長につられて、ふざけていた俺たちも各自で時間を確認する。


「もうそろそろお風呂に行ってもいいかもしれないわね」

「うん。そうだな」


 その言葉に俺と遥も続いて頷き、部屋にあらかじめ置かれてあったバスタオルやら浴衣やらを持って温泉へと向かった。

 

 温泉は旅館から出て少し暗い道を歩いて行ったところにあり、仲居さんからもらっていた鍵を使って中に入った。


「じゃあここで」

「あ、ああ! そうだな」

「またあとでねー」

「バイバーイ」


 部長の様子も彩乃先輩の言葉の真意も気にすることなく別れた俺は、脱衣所で服を脱ぎ、汗で汚れているはずの身体を丁寧に洗った。

 幸い俺意外に男性の客はおらず、実質貸し切り状態だった。


「うーん。中でもいいけど、せっかくだから外に行くか」


 そして、ドアをガラガラと開けて、無駄に長い通路を歩いて行った先に――――


「よう、翔真」

「は?」


 体にタオルを巻いた部長がいた。

 驚きのあまり、濡れた体が風に当たって少し寒いという感覚も忘れ、立ち尽くすばかりの俺に、部長が少し顔を赤らめながら話しかけてきた。


「その……自分に自信があるのはいいと思う。うん。いや、実際、あたしも立派だとは思うんだが、そこまで堂々と見せられると恥ずかしいというかなんというか…………」


 一瞬部長が何を言っているのか全く分からなかった俺だが、部長の視線の先を見て気づいてしまった。

 俺のオレに。

 慌てて隠し、とりあえず湯の中へと急いで入る。

 すると、至近距離にバスタオル一枚の部長がいることに気が付いて、なるべく距離を取れるように端の方へと移動した。


「「…………」」


 俺も部長もなんだか気まずくなって、なんて話しかければいいのか分からないままに、時間だけが過ぎていく。

 聞こえるのは女湯での喋り声とお湯が流れる音だけ。


「あー、翔真」

「ぶ、部長!」


 思い切って声を出してみたものの、部長と声が重なったせいで、気まずい雰囲気は変わらず仕舞い。

 まるでアニメのワンシーンみたいだなと半ば現実逃避気味に考えていた俺を救うかの如く、女湯のドアが開く音が聞こえてきた。


「あー! 翔真じゃん! 久しぶりに一緒のお風呂だね!」

「由宇も翔真くんもなんか顔赤くない?」

「「なんでもないです」」

 

 能天気に温泉に浸かってくる遥とは対照的に、鋭い質問を投げかけてくる彩乃先輩に、部長とハモりながら答える。


「まぁどうせ、翔真くんのショウマクンを見たんだろうとは思うけど」

「な、なぜそれを!?」

「あっ、部長!」

「ふふ。やっぱり由宇は素直ね」


 まるで魔王軍幹部の女性キャラのように余裕を持った妖艶な笑みを浮かべる彩乃先輩と、「しまった!」と言わんばかりの表情の部長。


「それと翔真くん?」

「いや、確かに見せちゃったのは俺が隠すのを忘れていたせいですけど、わざとじゃないですから!」

「ああ、違うの。その話はもうおしまい」


 今度は一体何の話を繰り出してくるのだろうかと訝しむ。

 そんな俺に彩乃先輩が投げつけてきたのは、超巨大核爆弾だった。


「男湯の方から翔真くんの声が微妙に聞こえてきたんだけど、『中よりも外』ってどういうことかしら?」

「は、へ?」

「しょ、翔真! おまっ」

「いや、違うんです!」

「そんな言い訳をするのは罪を実際に犯した奴しか…………犯した!?」

「それに関しては俺は悪くないですよね!?」


 いつもの調子を取り戻した部長と俺、そして、いい具合に場をかき乱してくれる彩乃先輩と、変わらず能天気な遥。

 温泉のせいなのか、俺たちはだんだんと温まっていった。

読んでいただきありがとうございます!

待ちに待った温泉回ですよ! 

もちろんハプニングは付き物(ゲス顔)ですが、まだまだ続きます。

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