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転回を自ら展開させていく

 あの日、娘達に見送られ、別々の暮らしを始めたあの日、あの後、すぐに商業地区に向かい、商工会に立ち寄った。そこで職探しをするつもりでいるいたが、商工会の方に声をかけられた。

 貴族でなくても、女性が働くのは異例であるにもかかわらず、迷子でもあるまいに、商業地区に女性が1人でいるというのは極めて異質である。

 過去の身分こそ伏せているが、身なりから出自が悪くないことは察して頂けたようで、不当な物言いをされる事なく話ができた。

 寡婦である事、基本的な教養がある事、商いを学べる職に就きたい事を伝えて、仕事の紹介を依頼したところ、そのまま商工会で働く事になった。

 女性に紹介できる仕事がないから、ここでの仕事を紹介されたのかと疑っていたが、働き始めてすぐに判ったのは、非常に人手不足であり、基礎的な教養がある人ならすぐにでも欲しい状況であったという事だ。職探しで性差を気にしていたのは私の方だったようだ。

 それからの日々は目まぐるしく、週に一度娘達に会える事を楽しみに、思い切り働き、どれ程経っただろうか、私は事業を興す事にした。


 人手不足の商工会で幅広く仕事をしているうちに、実務の基礎が身につき、また、商工会に出入りする商人の伝手を得ていた。これを使わない手はない。

 

 女性の市場は未開拓なものが山ほどあるのだ。この分野での勝率はとても高い事は言うまでもない。私のこれまでの経験を活かせる、とっておきの市場だ。

 今こそ、良くも悪くも私が経てきた全てを持ってして、私を活かす時なのだ。

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