反撃33(お姫様抱っこ)
ゼリーを食べていると先輩のことが少し気になり、先輩に視線を送ります。
すると先輩は私のことを見ていて、バッチリ目が合いました!
私は慌てて逸らしてしまいます。
ですが、やっぱり気になるので先輩の方を見ると、まだ私のことを見ていました…!
もう、いつまで私のこと見ているんですか?流石にそんなに見られるのは恥ずかしいです…。
なんとか羞恥に耐えながらゼリーを食べ終わりました。
さっきは先輩に私を意識してもらうことに成功しました。
ですが急に先輩が照れるから私まで照れてしまいました。
今度こそは完璧に先輩を意識させてみせます!
んー、でもどうやって意識させましょうか?
やっぱりくっつくのが1番な気がします…。
わ、私から先輩にくっつきにいくなんて、想像するだけで恥ずかしいですが、ここが勝負です。頑張らないと!
自然にくっつくとなれば、あれしかないですね。
ふふふ、先輩、覚悟して下さい!
これからやることにドキドキする心臓を抑えながら、私は立ち上がりました。
「あ!」
わざとらしくならないように、声を上げます。
「どうした?」
先輩が不思議そうな顔でこっちを見上げてきました。
「せ、先輩に飲み物出すの忘れてました!下から持ってきますね!」
「いい。すぐ帰るから、大丈夫だ。大人しく寝てろ」
すみません、先輩。私のこと心配してくれて、そう言ってくれるのはありがたいのですが、今は先輩には意識してもらいたいんです!
「あっ…」
先輩の注意を無視して、一歩進んだところでわざとつまづきます。
「は?」
私は先輩の方へ倒れ込みました。
案の定、予想した通り先輩は座ったまま私を抱き留めてくれます。
わ、わぁ!?ち、近いです…!
自分からやったことですが、こんなに近いとは思いませんでした。
先輩の心臓の音が聞こえてきそうです。
やっぱりこれだけ近いと先輩の匂いもよく分かります。
この匂いはいつ嗅いでも落ち着きますね…。
「なにやって…」
先輩が慌てたような声を上げました。当然です、私が急に倒れ込んできたんですから。
先輩の方を向くと先輩と目が合いました。
目が合った瞬間、先輩は言いかけていた言葉を失って固まります。
目が合ったまま先輩のことを見続けていると、だんだん先輩の顔が赤くなり始めました…!
わぁ!まだ見慣れません…!赤い顔の先輩は可愛くてドキドキしますね…。
「ご、ごめんなさい、先輩」
流石に倒れ込むのは怪我する危険性もありましたし、やりすぎました。
ですが、こんな赤い顔の先輩を見れたなら、恥ずかしかったですが頑張ってくっついてみてよかったです。
「ふふふ、顔が赤いですよ?」
いいですね〜先輩が恥ずかしがってる姿は。
思わずにやにやしちゃいます!
「うるさい、気のせいだろ」
「ふふふ、そうですね、そういうことにしておきますね〜」
そんな強い口調で言ってきても、嘘はバレバレですよ?
まあ、そんな意地っ張りなところも好きですから、いいんですが。
先輩の反応が可愛くてにやけていると、先輩は少しだけ眉間にシワを寄せて、私に言い聞かせてきました。
「まったく、何転んでんだよ。危ないだろ。」
「え、あ、はい。すみません」
真剣な声で言われてしまいました。流石に反省しないと…。
先輩の言葉にしゅんと大人しくします。
すると私が大人しくした瞬間でした。
「ひゃ、ひゃあ!?ちょっと、先輩!?」
私を仰向けにするように身体を動かして、私を抱え上げました…!
え?ちょ、ちょっとこれって…。
一瞬何が起きたか分からず、頭の中は真っ白になります。ですがすぐに今の私の状況を理解しました。
これは、お姫様抱っこです…!
おそらく私をベッドに戻そうとしてくれたのでしょうが、急すぎます…。
急にお姫様抱っこなんて、反則です!
こんなのドキドキしちゃうに決まってるじゃないですか。
せっかく先輩を意識できたのに、またやり返されてしまいました…。
ああ、顔が熱いです。今頃私の顔は真っ赤に染まっているでしょう…。
ちらりと頭上の先輩の様子を伺うと、先輩も私を見ていたらしく、目が合いました。
「どうした?雨宮、顔が真っ赤だぞ?」
「…っ!?そ、それは、先輩が…」
今の先輩のセリフ、私がからかった時とまったく同じセリフです。
こんな形でやり返されるなんて…。
私は先輩と話しているだけでもドキドキするんですから、やり返されたら赤面しちゃうのは当然です。
しかも先輩、わ、笑いました…!今、先輩がまた笑いました!
ああ、もう。先輩の笑顔には弱いって分かっているのに笑顔を見せられたら、もう無理です。
ときめかないはずがありません。
心臓の音がうるさいくらい拍動しています。
「なぁ、雨宮、心臓がうるさいんだが、大丈夫か?」
「…だ、大丈夫じゃないですよ…!こんな格好で抱き上げられたら、ドキドキするに決まってるじゃないですか!?」
何当たり前のことを聞いているんですか!?
先輩が私をドキドキさせているくせに、そんなこと聞いてくるなんて意地悪です…!
「こんな格好?抱き上げただけだろ?」
「お姫様抱っこですよ!?それを好きな人にされれば、ときめかない方がおかしいじゃないですか…。それに先輩とこんなにくっつくいていたら、ドキドキはいつまで経っても治らないです…。」
まったく、お姫様抱っこされてドキドキしない女子がいるわけありません。
それにこんなにくっついたらそれだけで、胸が締め付けられるくらい嬉しくなるんです。
先輩の体温はじんわりと服越しに伝わってきますし、先輩の低めの声が近いのでよく聞こえます。
それに先輩の匂いがより濃く感じるので、それだけで心臓の音が鳴り止みそうにありません。
ああ、本当にいい匂いです。もう顔を先輩の胸に埋め込んで嗅ぎたいくらいです。
もう、本当にお姫様抱っこはドキドキします…。
私は真っ赤になったまま先輩にお姫様抱っこされ続けるのでした。




